カレントアウェアネス-E
No.61 2005.07.06
E346
法学情報もオープンアクセス化?(米国)
オープンアクセスについては,いわゆるSTM(科学・工学・医学)分野で議論が白熱している(CA1559,E338参照)が,人文・社会科学ではどうだろうか? 米国法律図書館協会(AALL)はタスクフォースを設置し,オープンアクセスは法学分野と関係するか,関係するとすれば法律図書館にはどのような影響があるかを調査している。調査によると,法学分野では各大学のロースクールによるジャーナル出版が多いという特徴をもっていること,著者による情報提供・普及も積極的でプレプリントサーバなどが運用されていることなどを考慮すれば,法律図書館としても次の段階としてオープンアクセスを推進していく時期にきていると指摘している。
一方,クリエイティブ・コモンズはサイエンス・コモンズ(E275参照)の一環として,6月6日,法学情報への自由なアクセスを促進するため,Open Access Law (OAL) プログラムを開始すると発表した。このプログラムでは,著作権の完全譲渡を求めないなどOALジャーナルの原則を提示し,出版者に採択するよう求めている。現在22のジャーナルがこれを採択している。また,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づいた,著者と出版者の間で取り交わす出版契約モデルを提供している。著者についても,OALジャーナルにのみ著作を掲載するという誓約を提示し,研究者や学生に署名を求めている。
Ref:
http://www.aallnet.org/products/pub_sp0504/pub_sp0504_MB.pdf
http://creativecommons.org/press-releases/entry/5464
CA1559
E338
E275