E347 – 図書館のコンテンツへのナビゲーションをめぐる動き

カレントアウェアネス-E

No.61 2005.07.06

 

 E347

図書館のコンテンツへのナビゲーションをめぐる動き

 

 米トムソン・ゲール社は,6月16日,図書館を通じた一般市民への電子コンテンツ提供サービスを試験的に開始すると発表した。これは,ウェブサイトAccessMyLibrary.comから,ゲール社が図書館と契約して提供している電子ジャーナルなどのコンテンツを検索できるようにしたサービスで,利用者は検索結果の書誌情報から,自分の属する地域の公共図書館や学術図書館の利用者番号などによる認証を経てコンテンツを利用することができる。また,コンテンツのインデックスをYahoo!やGoogleなどの検索エンジンにも開放しナビゲーションを図ることも合わせて発表された。さらには,6月16日に評価版が公開された会員向け有料コンテンツ検索サービスYahoo! Search Subscriptionsにも参加予定であるという。信頼性ある情報源をより簡便に一般市民に提供できるとともに,図書館の存在感を高めることにもなり,図書館にとっても有益なプロジェクトであるとしている。

 一方,エルゼビア社は,6月7日,検索エンジンScirus(CA1513参照)でトロント大学のリポジトリT-Spaceを検索できるようになったと発表した。機関リポジトリにテクニカルレポートや統計データなど有用なコンテンツが多く含まれるようになってきたことから,今後は研究機関等との連携によりリポジトリ(CA1561参照)からのコンテンツ収集を強化していく予定であるとしている。

 インターネット検索サービスとの連携において図書館は,書誌情報の開放(E269参照)のみならず,信頼性あるコンテンツへどのようにナビゲートしていくかを考える段階にきている。

Ref:
http://www.gale.com/servlet/PressArchiveDetailServlet?articleID=200506_accessmy
http://www.accessmylibrary.com/
http://blog.searchenginewatch.com/blog/050616-191102
http://www.infotoday.com/newsbreaks/nb050613-2.shtml
http://blog.searchenginewatch.com/blog/050616-000001
CA1513
CA1561
E269