E336 – バーチャルレファレンスの提供・維持のためのガイドライン <文献紹介>

カレントアウェアネス-E

No.59 2005.06.01

 

 E336

バーチャルレファレンスの提供・維持のためのガイドライン <文献紹介>

 

Guidelines for Implementing and Maintaining Virtual Reference Services. (RUSA GUIDELINE). Reference & User Services Quarterly. 44(1), 2004, 9-13.

 「バーチャルレファレンスの提供・維持のためのガイドライン」は,米国図書館協会(ALA)レファレンス・利用者サービス部会(RUSA)のMARSデジタルレファレンスガイドライン特別委員会により作成され,2004年6月に理事会により承認された(E089参照)。このガイドラインでは,バーチャルレファレンスの定義を,図書館員と利用者とのコミュニケーションがコンピュータや他のインターネット技術を用いて電子的に開始されるレファレンスサービスとし,図書館やコンソーシアムがバーチャルレファレンスを準備し,開始し,運用維持していくにあたっての留意事項を整理している。

 サービスの提供の観点からは,第2章で提供前の留意点等,第3章で,利用者に関する事項,図書館員の行動,他機関との協同(CA1538参照)等について解説している。このうち図書館員の行動については,RUSA理事会により同月に承認された,「レファレンスおよび利用者サービスに従事する図書館員の専門能力」や「レファレンスおよび情報サービス専門家の行動のためのガイドライン」に準じることが推奨されている。サービスの運用維持の観点からは,第4章で,他の利用者サービスとの統合や,財源,マーケティング,評価と改善等について解説している。最終の第5章では,プライバシーへの留意に言及されている。

 バーチャルレファレンスの提供を検討している機関にとって,参考になるガイドラインである。

Ref:
http://www.ala.org/ala/rusa/rusaprotools/referenceguide/virtrefguidelines.htm
http://www.ala.org/ala/rusa/rusaprotools/referenceguide/professional.htm
http://www.ala.org/ala/rusa/rusaprotools/referenceguide/guidelinesbehavioral.htm
http://www.niso.org/standards/resources/azusecases.html
E089
CA1538