E258 – デジタル資料保存リポジトリの現状と戦略−PREMIS報告書

カレントアウェアネス-E

No.47 2004.11.04

 

 E258

デジタル資料保存リポジトリの現状と戦略−PREMIS報告書

 

 OCLCと研究図書館グループ(RLG)の共同によるワーキンググループPREMIS(Preservation Metadata: Implementation Strategies)は9月,『デジタル資料に対する保存リポジトリの実装:文化遺産コミュニティによる現在の活動と新たな傾向』と題する報告書を発表した。これは,米英など13か国の図書館,文書館,美術館など48機関に対して,デジタル資料保存に対する取り組みの現状と戦略についてアンケートを行った結果をまとめたものである。

 報告書によると,回答機関の約7割がリポジトリの立案・開発段階にあること,大多数のシステムがOAIS(CA1489参照)準拠で構築されること,現時点で想定されるサービスは確実なデータ保管(secure storage),長期保存,オンラインでの提供などであるが,将来的にはマイグレーション(データの変換)なども検討課題であることなどが明らかになっている。また,大多数の機関が複数のメタデータを使用しており,中でも電子図書館連合(DLF)の開発によるMETSを約半数の機関が採用していること,その格納方式にはリレーショナルデータベースやXMLデータベースなど複数の方式を採用する傾向があることなどを報告している。デジタル情報保存の分野は急速に開発が進んでいるので,複数の戦略を立てておくことが重要だと指摘している。

Ref:
http://www.rlg.org/en/page.php?Page_ID=20462&Printable=1&Article_ID=1674
http://www.oclc.org/research/projects/pmwg/surveyreport.pdf
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/preservation_01_2003.html
CA1489