カレントアウェアネス-E
No.41 2004.08.04
E227
そんなにもらっても困ります−全米の図書館に同じCDが溢れる
今,全米の図書館にCDが溢れている。米国では,CDの価格を不当につりあげたとして,複数の州政府が大手レコード会社などを訴えた消費者訴訟が,2003年に和解を迎えていた。その和解条件に,消費者に補償金を支払うことに加え,公共セクターにCD560万枚を寄付することという条件が含まれていたため,全米の図書館や学校は思わぬ恩恵を受け,大量のCDをこの6月から受け取ることとなったのだ。
ところが,喜んでばかりはいられないようで,ある図書館では,送られてくるCD2,647枚のリストを見たところ,ホイットニー・ヒューストンの歌う国歌のCDが430枚入っていたというように,同じCDが多数重複して送られてくるというトラブルが各地で頻発している。教育者らとともにCDを選別した司法当局は,単にプログラムミスだと説明しているが,レコード会社側が売れ残った在庫を処分しているのではないかとの憶測も広がっている。今後は,図書館間で交換したり,売買したりして解決を図ることになりそうだ。
Ref:
http://www.msnbc.msn.com/id/5226945/
http://www.boston.com/news/local/articles/2004/07/08/libraries_facing_music_in_cd_accord/
http://www.musiccdsettlement.com/english/default.htm