米・プリンストン大学図書館、資料のタグ付けにLGBTQIA+に関するシソーラスである“Homosaurus”を導入

2022年6月11日、米・プリンストン大学図書館(PUL)が、資料のタグ付けにあたり、図書館等の文化的機関におけるLGBTQIA+に関する資料を記述する専門のシソーラスである“Homosaurus”を導入したと発表していました。

PULではLGBTQIA+関連の資料を収集し目録を作成する過程で、米国議会図書館件名標目表(LCSH)のみではコレクションの範囲を完全に表現することができないこと、そしてLGBTQIA+の様々なアイデンティティは、LCSHでは正確かつ排他的に記述することはできないことが分かったとしています。また、LCSHの件名標目にはLGBTQIA+に関して意味を混同していたり一般には馴染みのないものも含まれているとし、 “Homosaurus”の語彙を追加して補足することで、研究者、特に学生や若い研究者に馴染みのある言語を提供するとしています。

“Homosaurus”の語彙はLGBTQIA+コミュニティの現在の用語を使用しているため、関連資料を記述するに当たって最適であり、また歴史的なLGBTQIA+の用語も多く含まれており、これらの語彙が適用できる対象や時代についての説明もあるとしています。また、オンライン上のLinked Data化されたシソーラスであり、研究者が様々なコレクションや機関から関連資料を発見し、アクセスするのに役立つとしています。

Princeton University Library incorporates Homosaurus vocabulary in item tagging(PUL,2022/6/11)
https://library.princeton.edu/news/general/2022-07-13/princeton-university-library-incorporates-homosaurus-vocabulary-item-tagging

関連:
Homosaurus
https://homosaurus.org/

参考:
中村治子. 米国イェール大学図書館における日本語エフェメラ資料の収集・整理・提供の実例. カレントアウェアネス. 2021, (347), CA1992, p. 6-9.
https://current.ndl.go.jp/ca1992