オープンアクセス出版社・PLOS、オープン査読について3年間を振り返る(記事紹介)

2022年6月14日、オープンアクセス出版社・PLOSが、オープン査読について3年間を振り返る記事を掲載しました。

PLOSは、査読について、基本は匿名としつつ、オプトインで、査読が公開される場合に自身の署名を掲載するかを査読者が選択し、論文が受理された後、著者が査読を公開するかどうかを選択するという方式をとっています。記事では、上記の方式におけるオープン査読の状況について2019年5月から2022年の5月にかけての3年間を振り返っています。

PLOSの出版物において、査読の公開が選択された割合は各年ともに40%でした。オプトアウト方式を採用しているEMBO Press社では、95%の査読が公開されている(95%の著者がオプトアウトしなかった)のに比べ低い割合ではあるが、PLOSは出版総数が多いことから、40%の公開であっても、オープン査読の論文の総数には大きく貢献していると述べています。

また、査読者が署名を選択した割合は全体の17%でした。公開割合も署名の割合も、分野やジャーナルによって違いがあることが説明されています。

Published Peer Review History at PLOS: Observations from the past three years(PLOS, 2022/6/14)
https://theplosblog.plos.org/2022/06/observations-on-published-peer-review-history/

参考:
オープンアクセス出版社・PLOS、研究者が研究の信頼性・インパクトをどう評価しているかを調査したレポートを公開
Posted 2021年8月17日
https://current.ndl.go.jp/node/44612

CA2001 – 動向レビュー:オープン査読の動向:背景、範囲、その是非 / 佐藤 翔
カレントアウェアネス No.348 2021年06月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2001