2022年2月22日付で、米国科学アカデミー紀要(PNAS)にて、米国国民の科学情報の利用状況についての調査結果を報告する論文“Widespread use of National Academies consensus reports by the American public. Proceedings of the National Academy of Sciences”が公開されています。著者は、米・ジョージア工科大学のDiana Hicks氏らです。
全米科学工学医学アカデミー(National Academies of Science, Engineering, and Medicine:NASAM)は2011年以降レポートを無料でダウンロードできるようにしています。同論文では、米国のIPアドレスを持つユーザーが、NASAMのコンセンサスレポートをダウンロードする際に利用目的について回答したコメント160万件を、機械学習モデルであるBERTを用いて分析しています。
分析の結果として、半分が研究・教育といった学術的目的であった一方、半分は仕事・家族・自身の知的好奇心といった目的であったこと等が報告されています。このことから、質の高い情報に対して国民の需要があること等が示唆されるとしています。
Hicks, Diana; Zullo, Matteo; Doshi, Ameet; Asensio, Omar I. “Widespread use of National Academies consensus reports by the American public. Proceedings of the National Academy of Sciences”. 2022, 119(9), e2107760119.
https://doi.org/10.1073/pnas.2107760119
参考:
オープンアクセス(OA)の現状:世界の論文の約28%、利用者が探している論文の約47%はOA
Posted 2018年2月14日
https://current.ndl.go.jp/node/35486
PEERプロジェクト、学術雑誌とリポジトリに対する著者と利用者の行動調査を国際公募
Posted 2009年1月7日
https://current.ndl.go.jp/node/9972
CA1666 – 動向レビュー:機関リポジトリの利用統計のゆくえ / 佐藤義則
カレントアウェアネス No.296 2008年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1666