2022年2月15日、米国図書館協会(ALA)が、新型コロナウイルス感染症のパンデミックからの回復に向けて図書館を支援するため、全米の図書館に計200万ドルの人文科学分野の資金を授与したと発表しました。
審査を経て選ばれた200の図書館が、ALAの米国救済計画:図書館への人文科学助成金(American Rescue Plan(ARP): Humanities Grants for Libraries)を通してそれぞれ1万ドルを受け取ります。この救済計画は、2021年の米国救済計画法(American Rescue Plan Act)に基いて、全米人文科学基金(NEH)からの資金提供により実現したものです。
選ばれた200の図書館には、公共図書館、大学図書館、学校図書館、そして部族図書館(tribal libraries)、専門図書館、刑務所図書館が含まれています。米国内の45の州と同国自治連邦区であるプエルトリコ、また人口642人のカンザス州の小さな町からロサンゼルス市まで、幅広い地域、規模に及んでいます。これらの図書館は、歴史的に十分なサービスを受けていない地域や農村部のコミュニティであるという観点に重点を置いて選ばれたとあります。
今回資金提供を受けた図書館は、強力な人文科学の施設として、また学習、会話、つながりを提供する活気ある場所となるために、資金を活用していくことが期待されています。
ALA announces 200 U.S. libraries to receive American Rescue Plan humanities funding(ALA, 2022/2/15)
https://www.ala.org/news/member-news/2022/02/ala-announces-200-us-libraries-receive-american-rescue-plan-humanities-funding
参考:
米国図書館協会(ALA)、米国救済計画法(ARPA)で規定された助成金を獲得するためのツールやガイダンスをまとめたウェブページを公開
Posted 2021年4月15日
https://current.ndl.go.jp/node/43808
米国図書館協会(ALA)、コロナ禍における図書館等によるインターネット接続機器購入等を支援する「緊急接続基金(ECF)」を活用したサービス実施を支援するツールキットを公開
Posted 2021年6月16日
https://current.ndl.go.jp/node/44213
米国図書館協会(ALA)、連邦議会で審議中の新型コロナウイルス感染症支援策において図書館関係にも資金を充てるよう要求:図書館による住民のインターネットアクセス拡充や一時解雇された図書館職員の支援
Posted 2020年12月14日
https://current.ndl.go.jp/node/42758
E2431 – コロナ禍における米国の図書館支援政策
カレントアウェアネス-E No.422 2021.10.14
https://current.ndl.go.jp/e2431