米国図書館協会(ALA)、コロナ禍における図書館等によるインターネット接続機器購入等を支援する「緊急接続基金(ECF)」を活用したサービス実施を支援するツールキットを公開

2021年6月15日、米国図書館協会(ALA)は、71.7億ドル規模の「緊急接続基金」(Emergency Connectivity Fund:ECF) による助成を活用したサービス実施を支援するためのツールキット“Emergency Connectivity Fund – Information for Libraries”を公開しました。

「緊急接続基金」は、米国救済計画法(American Rescue Plan Act of 2021:ARPA)に基づいて資金が拠出されます。館外・校外からインターネットアクセスできない図書館利用者・児童生徒・教職員が使用するデバイスを購入したりブロードバンドアクセスを契約するための資金を、公共図書館、部族図書館、高等学校までの学校に提供するプログラムです。図書館や学校は、2021年7月1日から2022年6月30日の間に行われた同プログラムの対象となる機器やサービスの購入のための資金を申請することができます。申請期間は6月29日から8月13日までです。

同ツールキットでは、ECFの重要な事項を要約するとともに、公共図書館・部族図書館が、最も必要としている利用者にサービスを提供するために、助成を活用しての技術サービスを設計・計画・実施する方法が詳しく説明されています。タブレット・ノートパソコンの貸出、ホットスポットの貸出、Wi-Fiのホットスポットエリアの地域内への設置、移動図書館車によるWi-Fiへの接続の提供、家庭からのインターネット接続の補助といった5つのシナリオが紹介されています。

ALAでは、米国救済計画法(ARPA)による他の助成においても、デジタルインクルージョンに関するニーズを支援するために活用することを求めています。

ALA launches resources for libraries to apply for $7.1 billion Emergency Connectivity Fund(ALA,2021/6/15)
https://www.ala.org/news/member-news/2021/06/ala-launches-resources-libraries-apply-71-billion-emergency-connectivity-fund

Emergency Connectivity Fund – Information for Libraries(ALA)
https://www.ala.org/advocacy/ecf

参考:
米国連邦通信委員会(FCC)、コロナ禍における学校・図書館によるインターネット接続機器購入を支援する「緊急接続基金」施行のための最終規則を採択
Posted 2021年5月17日
https://current.ndl.go.jp/node/44004

米国救済計画法、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)に2億ドルの資金を配分:IMLS史上最大の割当増
Posted 2021年3月19日
https://current.ndl.go.jp/node/43586

米国図書館協会(ALA)、米国救済計画法(ARPA)で規定された助成金を獲得するためのツールやガイダンスをまとめたウェブページを公開
Posted 2021年4月15日
https://current.ndl.go.jp/node/43808

米国図書館協会(ALA)、新型コロナウイルス感染拡大防止のため休館中の図書館のWi-Fiの開放を勧告
Posted 2020年3月24日
https://current.ndl.go.jp/node/40572

Wi-Fiホットスポットを備えた移動図書館を活用して地域にインターネットアクセスを提供する米国の図書館(記事紹介)
Posted 2020年4月23日
https://current.ndl.go.jp/node/40839

韓国・科学技術情報通信部、2022年までに図書館や屋外施設といった公共の場に無料Wi-Fiのアクセスポイントを4万1,000箇所追加整備すると発表
Posted 2020年8月20日
https://current.ndl.go.jp/node/41793