米国救済計画法、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)に2億ドルの資金を配分:IMLS史上最大の割当増

2021年3月11日、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)は、米国のバイデン大統領が米国救済計画法(American Rescue Plan Act of 2021:ARPA)に署名したことを発表しました。

バイデン大統領の署名により成立した米国救済計画法は、新型コロナウイルス感染症への対応として策定された1兆9,000億ドル規模の経済対策法であり、IMLSへの資金配分として2億ドルが含まれています。IMLSはその用途として、各州の図書館行政機関への助成を通じたコミュニティ支援、博物館・図書館・ネイティブアメリカンのコミュニティ等への助成を挙げています。

米国図書館協会(ALA)が発行するAmerican Libraries Magazineの2021年3月12日付け記事では、米国救済計画法が米国の図書館にとって何を意味するかを解説しています。IMLSにとって史上最大の割当増であることや、同法にはIMLSへの資金配分以外にも図書館を対象とした支援が含まれていることを紹介しています。

その例として、連邦通信委員会(FCC)のE-Rateプログラムを通じた「緊急教育接続基金」(Emergency Education Connectivity Fund)への約72億ドルの資金配分等を挙げています。「緊急教育接続基金」に参加した図書館は、ホットスポット、モデム、ルーター、ラップトップ、タブレットといったWi-Fi対応設備に要した費用全額の還付を受けることが出来る、とあります。

Federal Government Invests $200M in Libraries and Museums to Stimulate American Communities(IMLS, 2021/3/11)
https://www.imls.gov/news/federal-government-invests-200m-libraries-and-museums-stimulate-american-communities

What the American Rescue Plan Act Means for Libraries(American Libraries Magazine, 2021/3/12)
https://americanlibrariesmagazine.org/blogs/the-scoop/what-american-rescue-plan-act-means-for-libraries/

参考:
米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)、2020年の年次会計報告書を公開:新型コロナウイルス感染症対策を目的とした合計約4,500万ドルの国内機関支援等の事業を報告
Posted 2020年11月18日
https://current.ndl.go.jp/node/42557

米国上院に「図書館インフラ支援法案(A bill to support library infrastructure)」が提出される:図書館施設の長期的な改善や情報へのアクセスが困難な地域・人々へのサービス拡充が目的
Posted 2021年2月5日
https://current.ndl.go.jp/node/43211

米国図書館協会(ALA)、連邦議会で審議中の新型コロナウイルス感染症支援策において図書館関係にも資金を充てるよう要求:図書館による住民のインターネットアクセス拡充や一時解雇された図書館職員の支援
Posted 2020年12月14日
https://current.ndl.go.jp/node/42758

米国連邦議会に図書館安定化基金法案が提出される:20億ドルの基金による図書館支援を意図
Posted 2020年7月9日
https://current.ndl.go.jp/node/41471