2021年11月30日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、[調査資料-316]として「研究データ公開と論⽂のオープンアクセスに関する実態調査2020」を公開したと発表しました。
日本の研究者によるデータ・論文の公開状況や認識を明らかにすることを目的として、2016年、2018年に引き続き、2020年11月にウェブアンケートが実施されました。寄せられた1,349人(回答率70.5%)の回答の分析結果や、2016年・2018年の調査結果との比較結果をまとめています。
要旨では、以下をはじめとした内容が挙げられています。
・現在研究活動を行っている1,268人の内、データは44.7%、論文は80.1%が公開経験を有している。
・データの公開率は地球科学で70.2%、工学で27.7%と、分野による差が大きい。
・データマネジメントプラン(DMP)の作成経験があるのは回答者の内20.8%であった。
・データ公開に要する資源について、人材は78.5%、時間は72.8%、資金は71.8%が「不足」または「やや不足」と回答しており、充足度がやや改善されていたものの全体的には低い。
・データ公開に対する懸念が依然として強く、引用せずに利用される可能性を89.8%が、先に論文を出版される可能性を80.9%が「問題」「やや問題」と認識していた。
・研究データ管理を図書館員やデータキュレータに依頼したいと考える回答者は41.1%であった。
研究データ公開と論⽂のオープンアクセスに関する 実態調査2020[調査資料-316](NISTEP, 2021/11/30)
https://www.nistep.go.jp/archives/49576
研究データ公開と論文のオープンアクセスに関する実態調査2020
http://hdl.handle.net/11035/00006711
参考:
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、調査資料「研究データ公開と論文のオープンアクセスに関する実態調査2018」を公表
Posted 2020年5月21日
https://current.ndl.go.jp/node/41004
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、研究データ公開と論文のオープンアクセスに関する実態調査の結果を公表
Posted 2017年12月15日
https://current.ndl.go.jp/node/35171
CA1983 – 動向レビュー:Machine-actionable DMPs(maDMPs)の動向 / 常川真央
カレントアウェアネス No.345 2020年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1983