2021年10月25日、国際図書館連盟(IFLA)が、ドイツで議論されている、図書館による電子書籍の収集・貸出を可能とするための法改正を支持する声明を発表しました。
声明の中では、図書館は、コンテンツの収集のための投資、将来の読書人口拡大する取組等を通して、書籍業界全体の健全性に貢献しており、紙の書籍と同様に電子書籍においても同様の役割を担っているとしています。
また、電子書籍は多様な情報へのアクセスの重要な手段であり、図書館を通じて全ての人が電子書籍を読めるようにするべきであること、そのためには、図書館が合理的な条件で電子書籍を入手し、貸し出せるようになっている必要があること等を述べています。
その他、従来の貸出の制度を電子書籍にも適用させるべきとした欧州委員会司法裁判所による2016年の判決を挙げ、ドイツの意思決定者がこの判決に沿って行動すること、利害関係者が建設的かつエビデンスに基づいて協力することを願うと述べています。
eLending requires legal guarantees: IFLA supports German members in calling for reform(IFLA, 2021/10/25)
https://www.ifla.org/news/elending-requires-legal-guarantees-ifla-supports-german-members-in-calling-for-reform/
参考:
ドイツ図書館協会(DBV)、600人以上の図書館長の署名とともに連邦議会の議員に対して公開書簡を提出:図書館における電子書籍貸出の制限を撤廃するため法整備を要望
Posted 2021年2月4日
https://current.ndl.go.jp/node/43192
CA1979 – 動向レビュー:欧州の図書館と電子書籍-従来の公共図書館よ、安らかに眠れ? / ベンジャミン・ワイト,井上靖代(翻訳)
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1979
国際図書館連盟(IFLA)、「公共貸与権に関するIFLAの立場」を更新 電子書籍に関する章を追加
Posted 2016年2月3日
https://current.ndl.go.jp/node/30636
国際図書館連盟(IFLA)、図書館における電子書籍貸出サービスについてのバックグラウンドペーパーの改訂版“IFLA 2014 eLending Background Paper”を公表
Posted 2014年7月31日
https://current.ndl.go.jp/node/26697
E1293 – 電子書籍の貸出サービスに関する出版者と図書館の立場は?
カレントアウェアネス-E No.215 2012.05.24
https://current.ndl.go.jp/e1293