米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)、米国におけるソーシャル・ウェルビーイングに関する博物館・図書館の役割の調査レポート“Understanding the Social Wellbeing Impacts of the Nation’s Libraries and Museums”を公開したと発表しました。
同調査では、質的手法と量的手法を用いての米国の各州における図書館・博物館の設置・利用状況の推定、設置・利用状況とソーシャル・ウェルビーイングの関係の多変量モデルによる分析、24の公共図書館・博物館への訪問等が行われました。発表の中では、公共図書館と博物館の存在と利用は、コミュニティの健康・学校の有効性・文化的機会等のソーシャル・ウェルビーイングの複数の側面と関連しているとし、主な結果として以下をはじめとした内容を紹介しています。
・公共部門による教育支援の不足を補う等、図書館と博物館は、コミュニティにおける社会事業の提供を支える重要な存在となっている。
・図書館と博物館はコミュニティにおいて信頼されている機関である。人々は信頼できる情報の入手、他者との交流等のために訪れており、図書館と博物館は「サードプレイス」として機能している。
・図書館と博物館は、コミュニティにおける人種的公平・包摂性を促進するための触媒となり得る。
・図書館と博物館は制度的・社会的なネットワークの重要な構成要素である。
New Research Underscores Role Museums, Libraries Play to Create Healthier, More Equitable America(IMLS, 2021/10/27)
https://www.imls.gov/news/new-research-underscores-role-museums-libraries-play-create-healthier-more-equitable-america
Understanding the Social Wellbeing Impacts of the Nation’s Libraries and Museums [PDF:109ページ]
https://www.imls.gov/sites/default/files/2021-10/swi-report.pdf
参考:
CA2000 – 動向レビュー:米国のIMLSが戦略的5か年計画で描くこれからの図書館像-地域変革における触発機能- / 豊田恭子
カレントアウェアネス No.348 2021年06月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2000
CA1580 – 動向レビュー:「場所としての図書館」をめぐる議論 / 根本彰
カレントアウェアネス No.286 2005.12.20
https://current.ndl.go.jp/ca1580
E291 – 場としての図書館の価値
カレントアウェアネス-E No.52 2005.02.02
https://current.ndl.go.jp/e291