国際図書館連盟(IFLA)の図書館の出版活動に関する研究委員会(SIG)、図書館による出版活動に係る情報を収録した“Library Publishing Map of the World”を公開

2021年4月15日、国際図書館連盟(IFLA)の図書館の出版活動に関する研究委員会(Library Publishing Special Interest Group)が、“Library Publishing Map of the World”の公開を発表しています。

同研究委員会(Special Interest Group:SIG)は、IFLAの「戦略2019-2024(IFLA STRATEGY 2019-2024)」における重点目標「2.4 Provide tools and infrastructure that support the work of libraries」の考えに沿って、この10年間において、図書館が学術資料(論文、書籍、データ)や地域のコンテンツ(地域史、自費出版支援)等に係って出版界において目に見える役割を担うようになったことに焦点をあて、収集・蔵書構築分科会の支援を受けて2018年に創設されました。

“Library Publishing Map of the World”は、同委員会の最初の活動として、I世界の図書館における出版活動を記録化するために構築されたデータベースです。主に米国の図書館の出版活動に係るダイレクトリーを作成しているLibrary Publishing Coalition(LPC)の活動に刺激を受けて作成されました。

説明によると、“Library Publishing Map of the World”には、主にLPCのダイレクトリーから選定された項目が収められており、図書館名で検索したり、館種でフィルタリングすることが可能です。同データベースは現在も継続的に更新されていて、“Library Publishing Map of the World”に情報を収録されたい館は連絡するよう呼びかけています。

同研究委員会(SIG)とLPCは、LPCの年次ダイレクトリーの2021年版(8th edition)の作成にあたっても試験的に強力しており、2022年版(9th edition)にむけての協力でも合意しています。また、図書館の出版活動のための基本的なカリキュラムの開発においても協力も進めるとしています。

IFLA LibPub + IFLA Strategy: launching the global library publishing map(IFLA,2021/4/15)
https://www.ifla.org/node/93823

Library Publishing Map of the World
https://lib-pub.org/

参考:
Library Publishing Coalition(LPC)、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリーの2021年版を公開
Posted 2021年1月15日
https://current.ndl.go.jp/node/42997

図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”が正式に開始
Posted 2014年7月9日
http://current.ndl.go.jp/node/26530

E1483 – 出版を志す人たちをサポートする公共図書館の諸活動
カレントアウェアネス-E No.245 2013.09.26
https://current.ndl.go.jp/e1483

CA1945 – 近年の公立図書館による出版活動の概要:定期刊行物を中心に / 武田和也
カレントアウェアネス No.339 2019年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1945

E2206 – 国際図書館連盟(IFLA)の新たな戦略
カレントアウェアネス-E No.381 2019.12.05
https://current.ndl.go.jp/e2206