欧州委員会(EC)、オープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“Open Research Europe”を正式公開

2021年3月24日、欧州委員会(EC)は、オープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“Open Research Europe”の正式公開を発表しました。

“Open Research Europe”は、欧州連合(EU)における2021年から2027年の研究・イノベーション支援プログラムHorizon Europeとその前身であるHorizon 2020による助成を受けた研究成果物に対して、OA出版を提供するプラットフォームです。研究者・市民を問わず誰もが最新の科学の知見に無料でアクセスできることを目指しており、研究成果の再利用の遅延・障壁、高額な費用など、研究成果の公開に関わる主要な問題に直接対処した取り組みとして説明しています。“Open Research Europe”はHorizon Europe及びHorizon 2020で助成を受けた研究者へのオプションサービスとして提供され、該当する研究者は費用負担を負うことなく、研究成果物をOA化し、研究成果の即時OA化に関する助成要件を満たすことができます。

正式公開された“Open Research Europe”では、様々な分野の約40本の論文が投稿され、内容の閲覧・レビューが可能になっています。

また、“Open Research Europe”は正式公開を記念して、欧州委員会のオープンサイエンス部門の責任者であるKostas Glinos氏が、オープンサイエンスが政策的な優先事項である理由、“Open Research Europe”構築の背景、研究者・報道機関・市民に対するメリットなどを解説したブログ記事を掲載しています。

Commission launches open access publishing platform for scientific papers(EC,2021/3/24)
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_21_1262

Open Research Europe
https://open-research-europe.ec.europa.eu/

Open Research Europe: Accelerating knowledge sharing(Open Research Europe,2021/3/23)
https://open-research-europe.ec.europa.eu/blog/accelerating-knowledge-sharing

参考:
欧州委員会(EC)、オープンアクセス出版プラットフォーム“Open Research Europe”へHorizon 2020による助成を受けた研究成果物の投稿受付を開始
Posted 2020年12月10日
https://current.ndl.go.jp/node/42736

欧州委員会(EC)、Horizon 2020・Horizon Europeからの助成を受けた研究成果をOAで出版するプラットフォーム構築に関しF1000Researchと契約
Posted 2020年3月24日
https://current.ndl.go.jp/node/40581

筑波大学、「筑波大学ゲートウェイ」での論文公開を開始:英語・日本語に対応したオープンリサーチ出版ゲートウェイ
Posted 2021年3月18日
https://current.ndl.go.jp/node/43577

E2288 – 研究成果公開の新たな国際標準に向けた筑波大学の取組
カレントアウェアネス-E No.396 2020.08.20
https://current.ndl.go.jp/e2288