機関がOA方針を採択する要因:2校の研究大学を対象とした調査(文献紹介)

2021年2月25日付で、Pacific University Librariesが刊行するオープンアクセス(OA)査読誌“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”に、研究論文“The Factors Significant to the Introduction of Institutional Open Access Policies: Two Case Studies of R-1 Universities”が掲載されました。著者は米・ペンシルベニア州立大学のLeo S. Lo氏です。

この論文は、機関がOA方針を採択する要因を理解することを目的としています。調査は、過去5年以内にOA方針を実装したカーネギー分類でR1(最高度の研究活動)に分類される米国の大学2校を対象として実施されました。調査方法として、ステークホルダへのインタビュー等の定性分析が採用されています。

結果として、購読料の高騰といった学術コミュニケーションのビジネスモデルの持続可能性への懸念が当初の推進力であった一方、知識のオープンな流通がOA方針採択の主要な要因であったことを挙げています。また、インタビューの対応者は、研究成果をより広く、よりオープンに普及させることは教員の研究のインパクトに肯定的な影響を与え、それが機関の評判、ランキング、分類、助成に影響を与える可能性があると考えています。

Leo. L. S. The Factors Significant to the Introduction of Institutional Open Access Policies: Two Case Studies of R-1 Universities. Journal of Librarianship and Scholarly Communication, 2021.
https://doi.org/10.7710/2162-3309.2400