国際学術会議、デジタル時代の学術出版に関する報告書を公開

2021年2月22日、国際学術会議(International Science Council:ISC)が報告書“Opening the record of science: making scholarly publishing work for science in the digital era”を公開しました。このレポートは国際学術会議の進行中のプロジェクト「学術出版の未来」の最初の成果であり、学術出版システムの原則と優先事項についての共通の見解を確立することを目的としています。レポートでは、下記について述べられています。

・学術出版の根底にあるべき一連の規範的原則の提案
・現在の出版の概観とその軌跡
・原則の遵守状況の調査
・原則を実現するために取り組む必要のある課題の特定

学術出版の原則として下記を挙げているほか、その原則についての課題・取り組むべき事項も示しています。

・原則1:著者と読者、両方のために、学術の記録への普遍的なオープンアクセスが存在するべきである。
・原則2:学術出版物は、再利用とテキスト・データマイニングを可能にするオープンライセンスを適用するべきである。
・原則3:学術の記録の完全性には、厳密で継続的な査読が不可欠である。
・原則4:出版された主張の根底にあるデータ/観察記録は同時に公開されるべきである。
・原則5:学術の記録は、将来の世代のためのオープンアクセスを確実にするために維持されるべきである。
・原則6:異なる分野の出版の伝統は尊重されるべきである。
・原則7:システムは、柔軟性のない基盤を組み込むのではなく、新しい機会に適応するべきである。

このレポートは、国際学術会議会員やその他のステークホルダーが関与する議論とアクションについての議題を設定するために使用されると述べています。

Making scholarly publishing work for science in the digital era(ISC,2021/2/22)
https://council.science/current/news/making-publishing-work-for-science/

Opening the record of science: making scholarly publishing work for science in the digital era(ISC)
https://doi.org/10.24948/2021.01

Opening the record of science: making scholarly publishing work for science in the digital era [PDF:77ページ]
https://council.science/wp-content/uploads/2020/06/2020-02-19-Opening-the-record-of-science.pdf