公共図書館等と連携した、臨床試験等に関するリサーチリテラシーを向上させるツール“Health for All”の開発(文献紹介)

オープンアクセス(OA)の査読誌PLOS ONEに、2021年2月3日付で、公共図書館等と連携した、十分にサービスを受けられていない人々の臨床試験等に関するリサーチリテラシーを向上させるウェブサイト型ツール“Health for All”の開発について報告する論文が掲載されています。

同ツールは、著者らが以前開発したフラッシュカードベースのリサーチリテラシー支援ツールをもとにしています。マイノリティのリサーチリテラシーを向上し、臨床試験における人種・民族的な多様性の欠如を解決することを目的としています。開発は、米国のシカゴ公共図書館(CPL)、シカゴ大学ジョン・クレラー図書館、イリノイ大学シカゴ校ヘルスサイエンス図書館、シカゴ公衆衛生局との連携により行われました。

開発の過程では、CPLの利用者と職員を対象とした紙のプロトタイプを使ったデザインセッション7回、CPLの利用者計24人を対象としたウェブサイト形式のプロトタイプのユーザビリティテストが実施されました。参加者には、アフリカ系、ヒスパニック・ラテン系、アジア系の住民等が含まれています。

検討(Discussion)の箇所では、公共図書館と連携しての開発には、コミュニティからの信頼を得られること、コミュニティにとってインターネットへのアクセスや情報資源・集会の拠点となっているため、“Health for All”のサービスが利用者に届きやすいといった特徴があると指摘しています。また、健康における公平性を高めるツールを開発する上で、研究者・開発者とコミュニティをつなぐ存在として、図書館員が重要なパートナーである事等に言及されています。

Simon, Melissa A. et al. Development of a web tool to increase research literacy in underserved populations through public library partnerships. PLoS ONE, 2021, 16(2), e0246098.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0246098

関連:
Health for All
https://healthforallproject.org/

参考:
シカゴ公共図書館(CPL)の分館でWifiのルーターとタブレット等の貸出しを開始
Posted 2015年1月29日
https://current.ndl.go.jp/node/27881

シカゴ公共図書館(CPL)、大手電力・ガス会社のエクセロン社から250万ドルの助成金を得てSTEM分野の“early learning space”を設置
Posted 2015年8月3日
https://current.ndl.go.jp/node/29066

E1580 – ニューヨークとシカゴで公共図書館がインターネットを“貸出”
カレントアウェアネス-E No.262 2014.07.10
https://current.ndl.go.jp/node/27881

オンラインを利用した医療情報の検索行動におけるヘルスリテラシーの役割:米・ミネソタ州の成人を対象とした横断調査(文献紹介)
Posted 2021年2月10日
https://current.ndl.go.jp/node/43248