生態学分野の論文を対象に、Twitter上での言及数とインパクトファクターや被引用数等の関係を分析した論文”Twitter Predicts Citation Rates of Ecological Research”が、2016年11月11日付けでオープンアクセス誌PLOS ONEに掲載されています。著者は米クレムゾン大学のBrandon K. Peoples氏らです。
Peoples氏らは生態学分野の20の雑誌に、2012-2014年に掲載された論文1,599本を対象に、Twitter上での言及数やインパクトファクター、出版後の期間等から個々の論文の被引用を予測するモデルを構築・検討しました。その結果、Twitter上の言及数は5年インパクトファクターよりも予測に寄与しており、また、インパクトファクターの高い雑誌の論文が、必ずしもTwitter上でよく言及されているわけでもありませんでした。この結果を受け、Peoples氏らの論文では、インパクトファクターの高い雑誌に掲載された論文にはより引用される傾向がある一方で、インパクトファクターの低い雑誌に掲載された論文でも、Twitter上でよく議論されることはあり、その場合には(インパクトファクターの高い雑誌掲載論文と同様に)より多くの引用を集めると言える、と述べています。
Peoples BK, Midway SR, Sackett D, Lynch A, Cooney PB (2016) Twitter Predicts Citation Rates of Ecological Research. PLoS ONE 11(11): e0166570. doi:10.1371/journal.pone.0166570
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0166570
参考:
米国情報標準化機構(NISO)、altmetricsに関する定義と使用事例等に関するドキュメントを公開
Posted 2016年9月23日
http://current.ndl.go.jp/node/32588
E1774 – 研究成果の計量的指標に関するガイド<文献紹介> カレントアウェアネス-E No.299 2016.03.03
http://current.ndl.go.jp/e1774