研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)、2020年の研究評価についての進展を振り返る記事を公開

2020年12月18日、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)は、2020年の研究評価についての進展について振り返りを行う記事を公開しました。毎年の年末に、DORAの運営委員会と諮問委員会は、研究と研究者の評価を改善するための進展について振り返りを行っています。2020年は世界的に新型コロナウイルス感染症によって多くの課題がありましたが、方針と実践の実験、ガイダンスの開発、公正で責任ある研究評価の開発を支援する新しいツールの作成が行われたとしています。

記事では、研究と研究者の評価の改善について、DORAによる進展、その他の組織による進展がリストとして記載されています。また必読の文献(Essential reading)として、書籍が2件、論文が4件挙げられています。

そのうちDORAによる進展として、以下の4点が挙げられています。

・2020年3月、南北アメリカ、欧州、アフリカの公的および私的な研究助成団体を対象とした四半期ごとの会議を開始し、研究評価の改革に向けて新しい実践について話し合い、コミュニケーションを強化した。2020年8月には、アジア太平洋地域の研究助成団体を対象に、最初の補完的な会議を開催した。

・2019年にDORAとハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)が召集した会議での議論に基づいて、2020年8月に学術評価の制度変更を推進するためのフレームワークを公開した。このフレームワークは、学術評価の改善を求める機関に4つの目標を提供する。

・HHMIと共催した会議の別の成果として、学術機関が方針と実践を改善することを支援するリソースのツールキットの開発を目的として、米・イリノイ工科大学のシュミット(Ruth Schmidt)准教授との協力を開始した。これまでに2件のブリーフを共同で作成した。

・欧州大学協会(EUA)およびSPARC Europeと共同で、学術評価改革のための制度変更の重要な要素を調査する10件のケーススタディのデジタルリポジトリを開発した。リポジトリは、どのように、どのようなコンテキストで評価改革が展開されているかを明確にし、変更の潜在的な経路を特定することにより、学術コミュニティにとって有用なツールとなることを意図している。

2020 in review: DORA’s list of new developments in research assessment(DORA, 2020/12/18)
https://sfdora.org/2020/12/18/2020-in-review-doras-list-of-new-developments-in-research-assessment/

参考:
研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)、研究評価の改善に関する大学や国家コンソーシアムの実践事例を収録したリポジトリを開設
Posted 2020年12月11日
https://current.ndl.go.jp/node/42745

研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)、大学・研究機関による研究評価の方針や実践の改善支援のために5つの設計原理を提供するブリーフィング文書を公開
Posted 2020年5月21日
https://current.ndl.go.jp/node/40996