ニュージーランド国立図書館(NLNZ)、60万冊規模の外国書籍の除籍作業を実施中:自国刊行資料の収蔵スペース確保等のため

2020年9月12日付で、ニュージーランドの国営ラジオ局“Radio New Zealand”が、2019年10月から実施中のニュージーランド国立図書館(NLNZ)所蔵の外国書籍約60万冊の除籍作業が中間点に差し掛かったことを報じています。

NLNZは、同館の収蔵スペースが2030年までに限界を迎える見込みであること、ニュージーランド・太平洋地域の記憶の保存が同館の重要な使命であることなどを背景に、2015年にこれらの地域の資料に重点を置く内容へ蔵書構築方針を更新しました。2019年10月以降、館内の資料収蔵スペースを確保するため、数十年にわたって利用のないタイトル等を中心に約60万冊の国外で刊行された外国書籍の除籍手続きを進めています。なお、同館は除籍候補の図書リストを順次作成してウェブサイト上に公開しており、地域図書館や刑務所図書館等のリクエストに応じて譲渡の手続きを進めています。

Radio New Zealandの記事では、NLNZのコンテンツサービスを担当するRachel Esson氏が取材に応えて、除籍作業は2021年半ばに終了する予定であること、公開リストに基づく透明性のある手続きにより除籍候補図書のうち約3万3,000点の再受入を決定したことなどをコメントしています。

National Library in middle of first major cull of international books(Radio New Zealand,2020/9/12)
https://www.rnz.co.nz/news/national/425885/national-library-in-middle-of-first-major-cull-of-international-books

関連:
National Library makes more room for New Zealand and Pacific stories(NLNZ,2019/12/18)
https://natlib.govt.nz/about-us/media/national-library-makes-more-room-for-new-zealand-and-pacific-stories

Why rehoming 600,000 books from the National Library is so important(NLNZ,2020/4/30)
https://natlib.govt.nz/blog/posts/why-rehoming-600-000-books-from-the-national-library-is-so-important

Overseas published collections — collection management project(NLNZ)
https://natlib.govt.nz/about-us/strategy-and-policy/collections-policy/overseas-published-collection-management

参考:
オーストラリア国立図書館によるアジア関係資料の収集範囲縮小への批判(記事紹介)
Posted 2020年6月11日
https://current.ndl.go.jp/node/41193

オーストラリア国立図書館、新たな収集戦略とコレクション構築方針を公表
Posted 2020年7月3日
https://current.ndl.go.jp/node/41409

CA1883 – 動向レビュー:デジタル時代における国立図書館の蔵書構築―欧米国立図書館を対象とした調査報告― / 吉家あかね
カレントアウェアネス No.329 2016年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1883