2020年9月14日、日本学術会議は、同会議の若手アカデミーによる提言「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」を公表しました。
同提言は、職業科学者ではない一般の市民によって行われる科学的活動「シチズンサイエンス」について、海外と比べて拡大の兆しが見えず、展開されたとしても実施のための基盤整備が十分とは言えない点を日本における推進の課題として指摘しています。具体的な問題点として、「シチズンサイエンスを広げるシステムの不足」「シチズンサイエンスの研究倫理を保持する基盤整備の不足」「職業科学者とシチズンサイエンスを行う市民を橋渡しし、双方向性のあるシチズンサイエンスを推進するための基盤整備の不足」「シチズンサイエンティストの活動を支援する研究資金制度の不足」の4点を挙げ、これらの現状と問題点を踏まえて以下の4点を提言しています。
(1) シチズンサイエンスの知識生産活動への拡大に向けた広報活動
(2) シチズンサイエンスの研究倫理を保持する基盤整備
(3) シチズンサイエンスを推進するための社会連携の基盤整備
(4) シチズンサイエンティストの活動を支援する研究資金制度の確立
提言・報告等【提言】(日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-15.html
※2020-09-14欄に「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」とあります。
提言「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」のポイント(日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t297-2-abstract.html
提言「シチズンサイエンスを推進する社会システムの構築を目指して」 [PDF:29ページ](日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t297-2.pdf
参考:
科学技術・学術政策研究所の『科学技術動向』2015年5・6月号にオープンな情報流通が促進するシチズンサイエンス(市民科学)の可能性に関する記事が掲載
Posted 2015年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/28540
【イベント】「デジタル時代におけるシチズン・サイエンス-市民社会と協働した人文・社会科学研究の可能性-」(9/26・東京)
Posted 2019年9月17日
https://current.ndl.go.jp/node/39044