2020年8月27日、日本学術会議は、提言「博物館法改正へ向けての更なる提言~2017年提言を踏まえて~」を公表しました。
この提言は2017年の提言「21世紀の博物館・美術館のあるべき姿―博物館法の改正へ向けて」を背景に作成されました。2017年の提言発出後の法改正や中央省庁の組織改編により、文化財保護法と博物館法の一元化に向けた議論の素地が生まれた一方、公立博物館の地方独立行政法人化の加速が見込まれることから、博物館法改正による多様化が進む博物館の現状との乖離を解消、及び、学芸員資格制度や公立博物館における人事・予算・運営の窮迫の改善の必要等を指摘しています。
新たに発出された提言では、「登録博物館制度から認証博物館制度への転換」、「学芸員資格制度の改革及び研究者としての学芸員の社会的認知の向上」、「博物館の運営改善と機能強化」の3点を来るべき博物館法改正とその後の展望として示し、文化審議会博物館部会等での検討を期待する提言として以下の5点を挙げています。
(1) 登録博物館制度から認証博物館制度への転換
(2) 認証博物館制度の認証基準策定、検証、評価等を担う第三者機関の設置
(3) 学芸員制度の改正による学芸員の区分の設定
(4) 学芸員による独創的な研究を可能とする新制度設計
(5) 文化省(仮称)の創設による博物館の運営改善と機能強化の実現
提言・報告等【提言】(日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-15.html
※2020-08-27欄に「博物館法改正へ向けての更なる提言~2017年提言を踏まえて~」とあります。
提言「博物館法改正へ向けての更なる提言~2017年提言を踏まえて~」のポイント(日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t294-3-abstract.html
提言「博物館法改正へ向けての更なる提言~2017年提言を踏まえて~」 [PDF:31ページ](日本学術会議)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t294-3.pdf
参考:
日本学術会議、提言「21世紀の博物館・美術館のあるべき姿―博物館法の改正へ向けて」を公表
Posted 2017年7月21日
https://current.ndl.go.jp/node/34404
【イベント】シンポジウム「これからの博物館制度の在るべき姿~博物館法見直しの方向性をさぐる~」(3/2・東京)
Posted 2019年2月7日
https://current.ndl.go.jp/node/37540
CA1971 – 第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会2019 / 平井俊行
カレントアウェアネス No.343 2020年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1971