オランダ科学研究機構(NWO)、同機構の助成規則におけるPlan S実施のための指針を発表

2020年7月1日、オランダ科学研究機構(NWO)は、2021年1月1日のPlan S発効に先立ち、研究者に十分な準備期間を与える目的で、NWOの助成規則におけるPlan S実施のための指針を発表しました。

NWOでは2015年以降、助成を受けた研究成果は全てオープンアクセス(OA)化するポリシーを実施していますが、2021年1月のPlan S発効後は今回発表された指針の枠組みで、2019年5月31日に発表された改訂版のPlan S実現に取り組みます。

NWOは2021年1月1日以降に公表された助成成果に当たる研究論文は、クリエイティブ・コモンズのCC BYライセンスの下で、エンバーゴの付かない即時OAとしなければならず、即時OA化は以下の3種類のいずれかの方法をとらなければならないとしています。

・DOAJ(Directory of Open Access Journals)に登録されたOA誌またはOAプラットフォームで出版する
・購読誌へ出版する場合は、公表と同時に、少なくとも著者稿(author version)をOAリポジトリに登録する
・オランダ大学協会(VSNU)もしくはオランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアム(UKB)が締結した転換契約の対象となる学術雑誌で出版する、またはcOAlition Sによって承認された転換雑誌で出版する

NWO announces implementation guidelines for Plan S(NWO,2020/7/1)
https://www.nwo.nl/en/news-and-events/news/2020/07/nwo-announces-implementation-guidelines-for-plan-s.html

参考:
Coalition S、「Plan Sの実現にかかる手引き」の改訂を発表:効力発生は2021年1月1日からへ延期
Posted 2019年6月6日
https://current.ndl.go.jp/node/38293

cOAlition S、学術出版社・学協会等のフィードバックを反映した“Transformative Journals”の枠組み最終版を発表
Posted 2020年4月9日
https://current.ndl.go.jp/node/40740

オランダ大学協会(VSNU)等のオランダ国内の研究機関がElsevier社とオープンサイエンスに関する国家的なパートナーシップ契約を締結する
Posted 2020年5月21日
https://current.ndl.go.jp/node/40998

CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977

オランダ科学研究機構(NWO)、同機構の研究助成により刊行された単行書のオープンアクセス(OA)化を支援するプロジェクト“Open Access Books”を開始
Posted 2020年6月4日
https://current.ndl.go.jp/node/41136

オランダ科学研究機構(NWO)、2015年12月1日から、オープンアクセスを推進するために助成条件を厳格化
Posted 2015年12月1日
https://current.ndl.go.jp/node/30101