英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、加盟機関における新型コロナウイルス関連資料の収集計画を調査したレポートを公表

2020年6月24日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)は、加盟機関における新型コロナウイルス関連資料の収集計画を調査したレポート“Collecting Covid-19: an RLUK report on contemporary collecting”を公表しました。

加盟機関に対するパンデミックの影響を把握することを目的としたRLUKの活動プログラム“Capturing Covid-19”の一環として実施された調査に基づくものです。調査は2020年5月に加盟機関を対象として行われ、14の研究図書館が参加しました。また、オンライン及びソーシャルメディアを通じた情報収集も行われ、調査結果に反映されました。

調査では、新型コロナウイルス関連資料を対象とした短期的な収集計画の有無、収集の動機、収集を計画している資料の種類、収集した資料の想定用途について質問が行われました。調査結果として、多くの研究図書館が収集を開始している/または収集計画があること、自機関によるパンデミックへの対応や、自機関・地域コミュニティの体験の記録が収集の主要動機となっていること、多様な用途が想定されていること等が明らかになりました。

RLUKは、ほとんどの取組がまだ早期段階にあることを踏まえると、その進捗を注視し、加盟機関に対しRLUKが支援できる領域を探ることは価値がある、としています。その上で、フォーラムを開催し、新型コロナウイルス関連資料コレクションの構築・管理・利用における課題について討論できれば、目下の状況では特に価値ある支援となるだろうと述べています。

なお、レポートの最後には、付録として加盟機関による取組の例が紹介されています。

Collecting Covid-19: an RLUK report on contemporary collecting(RLUK, 2020/6/24)
https://www.rluk.ac.uk/collecting-covid-19-an-rluk-report-on-contemporary-collecting/

Collecting Covid-19: an RLUK report on contemporary collecting [PDF:12ページ]
https://www.rluk.ac.uk/wp-content/uploads/2020/06/RLUK-Collecting-Covid19-report.pdf

参考:
国際パブリックヒストリー連盟(IFPH)、世界各国の新型コロナウイルス感染症に関する記録収集の取り組みをGoogleマップへマッピングするプロジェクトを実施中
Posted 2020年4月28日
https://current.ndl.go.jp/node/40857

新型コロナウイルス感染症に関するデジタルアーカイブ研究会、「日本国内におけるCOVID-19に関するアーカイブ活動調査のためのアンケート」を実施
Posted 2020年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/41023

新型コロナウイルス感染症に関するデジタルアーカイブ研究会、「COVID -19に関するアーカイブ活動の呼びかけ」を発表
Posted 2020年5月12日
https://current.ndl.go.jp/node/40928

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)、関西大学デジタルアーカイブANNEXで「コロナアーカイブ@関西大学」を開始:新型コロナウイルスの影響を受けている関西大学の構成員の日々の記録と記憶を保存・公開
Posted 2020年4月20日
https://current.ndl.go.jp/node/40809