米国政府の助成金事業報告義務の簡素化・標準化に関する法案“Grant Reporting Efficiency and Agreements Transparency Act”が米国上院を通過

米・SPARCは2019年10月23日付のお知らせで、前日10月22日に米国政府の助成金事業報告義務の簡素化・標準化に関する法案“Grant Reporting Efficiency and Agreements Transparency Act(GREAT Act)”が米国上院を通過したことを発表しました。SPARCは同法案へ賛同の意を示した上院委員会宛の書簡への署名等によりGREAT Actを支持しています。

Great Actは、米国政府の助成金受領者に義務付けられた報告に含まれる全てのデータ要素を網羅する包括的な標準データ構造の作成等を通して、助成金事業報告作成の簡素化と透明性の強化を意図した法案です。古いドキュメントをオープンデータに置き換えることで、助成機関及び公衆に対する透明性を確保しつつ、助成金受領者の報告作成プロセスを自動化して助成金受領に関するコンプライアンス違反に伴うコストの削減が意図されています。

同法案では、行政管理予算局(OMB)長官と主要な助成機関に対して、報告される助成金事業に関する情報の政府全体としてのデータ標準を2年以内に確立すること、新技術を活用して新しいデータ標準を既存の報告作成プロセスへ導入する方法を示したガイダンスの3年以内の発行等を求めた内容となっています。

同法案は2019年1月に米国下院を通過しています。今後、上院で修正された文言について、下院で再度審議が行われます。

A Great Development on the GREAT Act(SPARC,2019/10/23)
https://sparcopen.org/news/2019/development-on-great-act/

H.R.150 – Grant Reporting Efficiency and Agreements Transparency Act of 2019(Congress.gov)
https://www.congress.gov/bill/116th-congress/house-bill/150/text

参考:
E2133 – 米国OPEN Government Data Actの成立
カレントアウェアネス-E No.368 2019.05.16
https://current.ndl.go.jp/e2133

E1437 – 政府情報のオープンデータ化に関する大統領令制定(米国)
カレントアウェアネス-E No.238 2013.06.06
https://current.ndl.go.jp/e1437

米・SPARC、北米のオープン教育資源(OER)の現状に関する報告書の2018-2019年版を公開
Posted 2019年10月1日
https://current.ndl.go.jp/node/39143