米・Ithaka S+R、アジア学研究者の研究活動支援へのニーズを調査したレポートを公開

2018年6月21日、米・Ithaka S+Rが、同国のアジア学研究者の研究活動や支援ニーズに関する調査報告書“Supporting the Changing Research Practices of Asian Studies Scholars”を公開しました。

Ithaka S+Rによる研究者の分野別の研究活動調査プログラムの一環で、アジア学研究者の研究支援に資するためのサービスを明らかにするため、米国の11つの研究図書館と協力し、169人の研究者を対象に実施されました。

報告書では、得られた重要な知見として、異なる出版慣行・分類システムがアジア研究に必要な情報を見つけることの課題となっていること、アジア各国でデジタル化の進展が異なっている事、地政学的・歴史的緊張関係や言語能力が情報アクセスへの障壁となっていること、非ローマ字で作成された情報の管理やエフェメラ類・入手困難なデータの保存の困難さ、アジアの大学での助成のための出版要件・手続きの違いがアジアや米国の学者が共同研究や学際研究において大きな成果をもたらすことを制限していること、等といった点が挙げられています。

The Limits of Area Studies: Studying Scholars of Asia(Ithaka S+R Blog,2018/6/21)
http://www.sr.ithaka.org/blog/the-limits-of-area-studies-studying-scholars-of-asia/

Supporting the Changing Research Practices of Asian Studies Scholars
http://www.sr.ithaka.org/publications/supporting-the-changing-research-practices-of-asian-studies-scholars/

参考:
米・Ithaka S+R、公衆衛生学研究者の研究活動支援へのニーズを調査したレポートを公開
Posted 2017年12月15日
http://current.ndl.go.jp/node/35174

Ithaka S+R、農学研究者の研究活動支援へのニーズを調査したレポートを公開
Posted 2017年6月8日
http://current.ndl.go.jp/node/34133

Ithaka S+R、宗教学研究者の研究活動を支援するためのレポートを公開
Posted 2017年2月10日
http://current.ndl.go.jp/node/33439

E1380 – デジタル時代の歴史研究者の研究活動を支援するために
カレントアウェアネス-E No.229 2012.12.28
http://current.ndl.go.jp/e1380

Ithaka S+R、美術史研究者の研究を支援するためのレポートを刊行
Posted 2014年5月1日
http://current.ndl.go.jp/node/26054

ITHAKA S+R、化学者の研究実践とその支援ニーズに関する調査レポートを公表
Posted 2013年2月28日
http://current.ndl.go.jp/node/22984