2017年9月26日、オープンアクセス(OA)雑誌PLOS ONEが、小児腫瘍財団(Children’s Tumor Foundation)と連携し、Registered Report(登録済報告書)に関するトライアルを開始すると発表しました。
Registered Reportは実験を行う前に、実験方法・分析等の研究デザインを事前に登録し、その段階で査読を受ける新たな論文の形態です。実験終了後、成果論文が投稿された段階で2度目の査読が行われますが、例え仮説通りの結果が出なかったとしても、Registered Reportで提案したとおりに研究が進められていれば、掲載することが保証されます。このモデルにより、出版される成果のバイアスの提言に寄与することが期待されます。
今回、発表されたPLOS ONEと小児腫瘍財団の連携はDrug Discovery Initiative Registered Report (DDIRR) 2017 Awardsと題した助成プログラムの中で行われます。DDIRR2017の応募者は、まず小児腫瘍財団が助成対象者を選定した後に、PLOS ONEにRegistered Reportを投稿するよう求められます。
PLOS ONE partners with the Children’s Tumor Foundation to trial Registered Reports(EveryONE: The PLOS ONE blog、2017/9/26付け)
http://blogs.plos.org/everyone/2017/09/26/registered-reports-with-ctf/
関連:
BMC Medicine、Registered Reportを受理した初めての臨床研究ジャーナルに(STI Updates、2017/9/6付け)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=9981
参考:
PLOS ONE、予想した結果が得られなかった論文等を集めた”Missing Pieces Collection”を公開
Posted 2015年3月3日
http://current.ndl.go.jp/node/28085
PLoS ONE、Science Exchange、figshareが、研究結果の再現性の認定サービスを行う“Reproducibility Initiative”を開始
Posted 2012年8月16日
http://current.ndl.go.jp/node/21636
CA1829 – 査読をめぐる新たな問題 / 佐藤 翔 カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1829