Scientific Reports誌が出版論文数でPLOS ONEを逆転(記事紹介)

学術出版系ブログ“The Scholarly Kitchen”の2017年4月6日付けの記事で、2017年最初の四半期において、オープンアクセス(OA)雑誌Scientific Reports誌が出版論文数でPLOS ONEを逆転し、PLOS ONEが長く保ち続けてきた出版論文数世界一位から陥落したと報じられています。著者はPhil Davis氏です。

同記事によれば、2017年第一四半期のPLOS ONEの出版論文数は5,541本であったのに対し、Scientific Reports誌は6,214本でした。PLOS ONEは非営利団体PLOSが2006年位創刊した、いわゆるOAメガジャーナルの走りと言える雑誌でしたが、近年出版論文数が減少していました。その理由としては採択率の低下(却下割合の増加)の他に投稿論文数自体の減少もあり、さらに投稿論文数減少の理由としては、Scientific Reportsのような他のOAメガジャーナルが増えたことがあるとDavis氏は述べています。

記事中ではOA論文が増えることは歓迎すべきことである、というPLOS ONE編集長のコメントも紹介されていますが、Davis氏はSpringer Natureが発行するScientific Reportsのように、商業出版者によるOAの受容が進むという現状は、PLOSの本来の期待には反する事態なのではないか、としています。

Scientific Reports Overtakes PLOS ONE As Largest Megajournal(the Scholarly Kitchen、2017/4/6付け)
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2017/04/06/scientific-reports-overtakes-plos-one-as-largest-megajournal/

参考:
PLOS ONEが創刊10周年
Posted 2016年12月20日
http://current.ndl.go.jp/node/33135

PLOS ONE、出版論文数が10万本に到達
Posted 2014年6月24日
http://current.ndl.go.jp/node/26421