米・シカゴ公共図書館によるMOOC受講者を支援する学習サークル:在籍率や修了率が向上(記事紹介)

2017年7月5日付のLibrary Journal(LJ)誌(オンライン版)が、米国のシカゴ公共図書館(CPL)が、無料オンライン講義MOOCを提供するPeer 2 Peer University(P2PU)と連携して2年前から実施している“Learning Circles”というプログラムを紹介しています。

“Learning Circles”は、MOOCを受講する利用者のサークルで、大学での教育を受けていない住民とMOOC及び受講者を支援するファシリテーターとしての図書館員を結びつけることを目的としています。

記事では、図書館員がファシリテータとしてMOOC受講者の学習を支援することで、“Learning Circles”参加者のMOOC受講の在籍率が45%から55%となっており、個人でMOOCを受講している人の在籍率7%を大幅に上回っていることが指摘されています。

同プログラムは、現在、CPLの80の分館のうち21館で実施されており、博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成金を得たことから、今後、実施館を拡大する計画となっています。

今後の課題として、ファシリテーターの役割を担える図書館員を増やすことで、講座の修了率を50%以上にすることや、大学と連携し、MOOCで提供されている基礎的技能以上のものを提供することがあげられています。

Chicago Public Library Gives Online Courses the Personal Touch(LJ,2017/7/5)
http://lj.libraryjournal.com/2017/07/library-services/chicago-public-library-gives-online-courses-the-personal-touch/#_

Learning Circles(P2PU)
https://learningcircles.p2pu.org/en/

参考:
公共図書館におけるMOOCを活用したプログラムの事例(米国)
Posted 2013年12月11日
http://current.ndl.go.jp/node/25044

ニューヨーク公共図書館、Courseraと協力して、学習環境を提供
Posted 2014年5月1日
http://current.ndl.go.jp/node/26051

米・シカゴ公共図書館長、ビジネス誌の「ビジネスの世界でもっとも創造的な100人」に選ばれる
Posted 2016年5月27日
http://current.ndl.go.jp/node/31681

E1433 – MOOCについて図書館員が知るべきことは?<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.237 2013.05.23
http://current.ndl.go.jp/e1433

E1596 – MOOCを活用した図書館での大学レベルの学習機会の提供
カレントアウェアネス-E No.265 2014.08.28
http://current.ndl.go.jp/e1596

CA1811 – 動向レビュー:MOOCの現状と図書館の役割 / 重田勝介
カレントアウェアネス No.318 2013年12月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1811