オーファンワークス実証事業実行委員会、著作権者不明等の場合の裁定制度の利用円滑化に向けた実証事業の実施を発表

権利者団体9団体で構成されるオーファンワークス実証事業実行委員会が、著作権者不明等の場合の裁定制度を利用する際に、利用者の作業負担や処理コストを軽減し、より簡易に、かつ、権利者の権利を損なわずに円滑化する方策について実証的な検討するための検証事業を、2016年10月から2017年3月まで行うことを、2016年11月9日に発表したことが報じられています。

権利者団体が保有するデータベースでの調査を中心に、裁定制度で利用者に課されている相当の探索を行うとともに、2016年11月、2016年12月、2017年1月の3回、まとめて裁定制度の申請を行い、集中処理とすることで、一著作物あたりの処理コストを低減し、利用の円滑化をはかる実証事業と説明されています。

また、あわせて、円滑化による著作者不明著作物の利用ニーズについても各方面より現況を調査するとしています。

2017年3月には実証事業に関する報告書を作成するとともに、シンポジウムを開催し、実証事業の成果について報告することや、2017年4月以降については、裁定制度利用円滑化の事業化を目指すことが報じられています。

権利者不明著作物を使うための制度の使いやすさ向上へ、権利者団体らが実証事業(ITpro,2016/11/9)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/110903323/

著作権者不明等の場合の裁定制度の利用円滑化に向けた実証事業(オーファンワークス実証事業実行委員会)
http://jrrc.or.jp/orphanworks/

参考:
E1814 – アーカイブサミット2016<報告>
カレントアウェアネス-E No.306 2016.06.30
http://current.ndl.go.jp/e1814

E1785 – 著作権者不明等の場合の裁定制度の一部要件緩和について
カレントアウェアネス-E No.301 2016.04.14
http://current.ndl.go.jp/e1785

CA1873 – 権利者不明著作物の活用促進について / 星川明江
カレントアウェアネス No.328 2016年6月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1873