韓国の図書館補償金制度の実態

韓国の市民記者の投稿によるニュースサイト「OhmyNews」に、現職の大学図書館司書が投稿した記事によると、現行の著作権法第28条で定められている図書館補償金制度に大きな問題があるようです。

※デジタル資料を利用許諾なしに図書館で出力したり、他図書館での閲覧のために送信したりする際の補償金を定義。販売している資料の場合、1枚印刷につき5ウォン、1ファイル閲覧につき20ウォン。非売資料は印刷3ウォン、閲覧20ウォン。(10ウォン=約1円)

これは、「著作権保護」と「デジタル図書館活性化」の二つを目的として2004年7月1日から施行された制度ですが、各館が課金システムの導入に30〜300万ウォンかかったのに対し、半年間で支払われた補償金総額は25万ウォン、支給対象者は70人でしたとのことです。
徴収した補償金総額は2000万ウォンでしたが、銀行送金手数料等の経費を考慮して、支給金額が2000ウォン以上になる人にだけ実際に支払うようにしているため、支給対象者が70人だけになったようです。

また利用者からは特に、博士論文等の非売資料にまで課金されることに反発が起きているようで、制度に批判的な人の利用が減って補償金がさらに減ること、研究の質が下がることなどが懸念されています。

http://www.ohmynews.com/articleview/article_view.asp?at_code=287314