2015年10月9日付けのLibrary Journai誌(LJ誌)の記事に、公共図書館が金融リテラシーの情報資源となり得ているかについての調査記事“Public libraries are offering financial literacy resources to their communities? but is anyone listening?”が掲載されています。
2015年2月に1,466名の公共図書館のカード保有者、4月に230の公共図書館職員を対象に行なわれたLJ誌の金融リテラシー調査では、利用者にとって公共図書館は金融情報を探す最初の場所とはなっておらず、公共図書館で金融に関する情報を探すと回答した米国人は18%で、あげられた項目の中では最下位であったとのことです(家族から:49%、インターネットで:40%、学校で:34%、友人から:27%、図書で:27%、金融機関から:26%、金融アドバイザーから:26%、職場で:22%、メディアで:21%)。
しかし、これは利用者が図書館を金融の専門家と考えていないということではなく、もし知っていたならば、55%の回答者が図書館の金融リテラシープログラムに参加したと回答しているとのことです。
一方で、61%の公共図書館は個人向けの金融・銀行・借金・税金に関する講座を開いており、27%の利用者はそのようなプログラムを図書館で開催していることを知っているとのことです。
よって、如何に利用者をプログラムに参加させるかが公共図書館における金融教育の課題であるとして、それを解決するための広報・他機関との連携・プログラムの調整・講座の形式・子供向けの講座の重要性・予算の確保などの問題について述べられています。
Public libraries are offering financial literacy resources to their communities?but is anyone listening?(Library Journal,2015/11/9)
http://lj.libraryjournal.com/2015/11/public-services/money-talks-research/
参考:
E1619 – 公共図書館でお金の借り方教えます:金融リテラシー教育支援
カレントアウェアネス-E No.269 2014.10.30
http://current.ndl.go.jp/e1619