ディスカバリーツールの比較評価(文献紹介)

米国図書館協会(ALA)の図書館情報技術部会(LITA)が刊行している“Information Technology and Libraries”誌の第33巻第2号(2014)に、ディスカバリーツールの比較評価を行った記事“Evaluation and Comparison of Discovery Tools: An Update”が掲載されています。

2011-2012年に実施されたライダー大学図書館による北米におけるウェブスケール・ディスカバリーツールの調査を参考に、14の主要なディスカバリー・ツールを対象に、“次世代OPAC”としての特徴と考えられる16の基準(図書館のすべてのリソースをワンストップで検索できるか、GoogleやAmazonのような最先端のインタフェース、書影やレビューなども含んだ充実したコンテンツ等)について調査した結果をまとめたものとのことです。

“次世代OPAC”としての特徴と考えられる16の基準を多く満たす順にツールを並べると、PrimoとWorldcat Local(16の基準のうち14の基準に該当)、Axiell Arena(13)、EBSCO Discovery Service(12)、AquaBrowserとEncore、Endeca(11)、BiblioCoreとSummon、VuFind(10)、eXtensible Catalog(9)、Enterprise、Visualizer(7)、Blacklight(6)となるようです。

対象となった商用ディスカバリー・ツール(10種):
AquaBrowser (Serials Solutions)、Axiell Arena (Axiell)、BiblioCore (BiblioCommons)、EBSCO Discovery Service/EDS (EBSCO)、Encore (Innovative Interfaces)、Endeca (Oracle)、Enterprise (SirsiDynix)、Primo (Ex Libris)、Visualizer (VTLS)、Summon (Serials Solutions)、Worldcat Local (OCLC)

対象となったオープンソースのディスカバリー・ツール(4種):
Blacklight (the University of Virginia Library)、eXtensible Catalog/XC(eXtensible Catalog Organization/CARLI/University of Rochester)、VuFind (Villanova University)

F. William Chickering; Sharon Q. Yang. Evaluation and Comparison of Discovery Tools: An Update. Information Technology and Libraries, 2014, 33(2), p. 5-30.
http://ejournals.bc.edu/ojs/index.php/ital/article/view/3471/pdf_1

参考:
E1319 – 続・北米260大学のOPACの「次世代度」をチェック<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.219 2012.07.26
http://current.ndl.go.jp/e1319

E1209 – 北米260大学のOPACの「次世代度」をチェック<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.199 2011.08.25
http://current.ndl.go.jp/e1209