米・オープンアクセス機関リポジトリのアクセシビリティの状況(文献紹介)

オープンアクセス(OA)誌“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”(JLSC)の12巻2号に、米国のオープンアクセス機関リポジトリのアクセシビリティの状況についての論文“Access for Whom? An Examination of Public-Facing Accessibility Practices in Library Accessibility Alliance Members’ Open Access Institutional Repositories”が掲載されています。著者は、米・ニューヨーク州立ファッション工科大学のCarli Spina氏等です。

図書館サービスと電子リソースへの公平なアクセスを促進する米国の団体であるLibrary Accessibility Allianceの加盟機関の機関リポジトリについて、連絡先情報、アクセシビリティに関する声明、アクセシビリティ関連のメタデータなど、アクセシビリティ慣行の普及状況を調査しています。

結論として、多くの機関で機関リポジトリのアクセシビリティを確保するために何らかの措置を講じているが、今回調査対象とした機関リポジトリにおいては、多くのアクセシビリティ機能が標準化されておらず、将来的に改善の余地があることが述べられています。

Spina, Carli; Lougen, Colleen; Jensen, Jennifer Keller. “Access for Whom? An Examination of Public-Facing Accessibility Practices in Library Accessibility Alliance Members’ Open Access Institutional Repositories”. Journal of Librarianship and Scholarly Communication. 2025, 12(2). https://doi.org/10.31274/jlsc.18208

参考:
日本の機関リポジトリにおけるPDFファイルの長期保存とアクセシビリティ
カレントアウェアネス No.349 2021年09月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2004

E2268 – 英国の機関リポジトリにおけるウェブアクセシビリティ対応
カレントアウェアネス-E No.392 2020.06.11
https://current.ndl.go.jp/e2268

機関リポジトリ収録コンテンツのアクセシビリティに関する調査(文献紹介) [2020年08月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/41848

米国の大学コンソーシアムBig Ten Academic Alliance(BTAA)、米国南東部研究図書館協会(ASERL)との図書館電子リソースのアクセシビリティ向上のため連携協定の名称を“Library Accessibility Alliance(LAA)”と発表 [2020年01月16日]
https://current.ndl.go.jp/car/39971