カナダの大学における機関リポジトリの利用状況(文献紹介)

2023年11月6日、The Canadian Journal of Information and Library Science誌の46巻2号に、カナダの大学における機関リポジトリの利用状況を調査した論文 “The state of green open access in Canadian universities”が掲載されました。

カナダの研究型大学15校のネットワークであるU15を対象に、査読付き論文のセルフアーカイビングのための機関リポジトリの利用状況を調査しました。

学術文献のカタログであるOpenAlexから、2016年から2021年までに発行されたU15に所属する研究者の論文のデータを取得し分析した結果、45.1~56.6%がゴールドオープンアクセス(OA)又はグリーンOAとして利用可能であるにも関わらず、U15の機関リポジトリに掲載されているのは、そのうちの0.5~10.7%(平均4.2%)であったことなどが報告されています。

Riddle, Poppy; Simard, Marc-Andre; Gone, Pallavi; Li, Vinson; Mongeon, Philippe. The state of green open access in Canadian universities. The Canadian Journal of Information and Library Science. 2023, 46(2).
https://doi.org/10.5206/cjils-rcsib.v46i2.15358

参考:
OpenAIREら、欧州のリポジトリの現状に関する調査報告書を公表:欧州のリポジトリネットワーク強化のための共同戦略の一環として [2023年12月11日]
https://current.ndl.go.jp/car/201942

オーストラリアとニュージーランドにおけるオープンアクセスについての調査報告書が公開 [2023年08月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/186053

E2624 – 若手研究者向けオープンサイエンス実践ガイド(オランダ)
カレントアウェアネス-E No.463 2023.09.07
https://current.ndl.go.jp/e2624