2023年9月25日、英国図書館情報専門家協会（CILIP）が、刑務所図書館のためのガイドライン“Making the Difference: An excellence framework for prison libraries”を公開しました。
同ガイドラインはCILIPとCILIP刑務所図書館グループによって作成されたもので、ケーススタディを通して、優れた刑務所図書館サービスの主な特徴を検証するものとあります。刑務所図書館にはそれぞれの課題や取組のタイミングがあるとし、各館の事情に合わせたサービスや刑務所コミュニティのニーズに応じたサービスを開発するために推奨事項を提供することを目的としています。
ガイドラインでは、物理的スペース、運営と人員配置、利用、蔵書構築等の項目について、推奨事項、推奨の理由、成果の評価方法が述べられています。優れた刑務所図書館を運営するための重要な要素としては、以下のようなポイントが挙げられています。
・刑務所内の適切な場所にある十分な物理的スペース
・効果的な管理とよく訓練されたスタッフ
・図書館の定期的な利用
・全ての識字レベルと関心に対応できる、適切な蔵書構築
New Excellence Framework for Prison Libraries（CILIP, 2023/9/25）
https://www.cilip.org.uk/news/652342/New-Excellence-Framework-for-Prison-Libraries.htm
Making the Difference: An excellence framework for prison libraries [PDF：24ページ]https://cdn.ymaws.com/www.cilip.org.uk/resource/group/853bf809-d9aa-4165-8789-1cacd728e4ad/excellence_framework/excellence_framework.pdf
参考：
フィリピン国立図書館、国連薬物犯罪事務所（UNODC）等と“Read Your Way Out”プロジェクトを立ち上げ：刑務所図書館の新設などを通して更生の機会を提供 [2023年03月29日]
https://current.ndl.go.jp/car/175555
米・カリフォルニア州矯正・リハビリテーション局、刑務所内に“Freedom Library”を開設：非営利団体Freedom Readsが協力 [2023年01月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/171548
フランスのプロヴァンス・アルプ・コートダジュールの刑務所図書館に関する報告書が公開 [2021年07月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/44398
オーストラリア図書館協会（ALIA）、受刑者への図書館サービスの基準となるガイドラインを公開 [2016年01月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/30360
E2607 – 受刑者への図書館サービスに関するガイドライン（第4版）
カレントアウェアネス-E No.459 2023.06.29
https://current.ndl.go.jp/e2607
