2023年9月24日付けで刊行された、カナダ・アルバータ大学が出版するオープンアクセスの季刊誌“Evidence Based Library and Information Practice”の第18巻第3号に、学術図書館コレクションとして貸し出されるビデオゲーム機器の損失と損害に関する論文が掲載されています。著者は、米・北テキサス大学(UNT)図書館のDiane Robson氏等です。
UNTのメディア図書館では、2009年からビデオゲームコレクションの貸出しが行われています。研究では、主に同コレクションで貸し出されるゲーム機器本体、コントローラー、周辺機器についての12年間分の書誌・貸出レコード計497件を分析し、それらの損失と損害について調査しています。
結論として、機器の損失や損害は生じてはいたものの、それでも図書館は学生、教員、研究者のニーズを満たすことができ、備品の交換や修理に掛かる費用はごく僅かであったとしています。
Robson, Diane; Bryant, Sarah; Sassen, Catherine. Video Game Equipment Loss and Durability in a Circulating Academic Collection. Evidence Based Library and Information Practice. 2023, 18(3), p. 53-68.
https://doi.org/10.18438/eblip30294
参考:
米カリフォルニア州フレズノ郡立図書館の分館、コスト高により、新規のビデオゲームの購入を停止 [2015年10月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/29778
米国の公共図書館でのゲームソフト貸出の現状 [2009年12月17日]
https://current.ndl.go.jp/car/15503
CA1888 – 動向レビュー:図書館で「ゲーム」を行なう / 井上奈智
カレントアウェアネス No.330 2016年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1888