2023年9月15日、米国化学会(ACS)とElsevier社がResearchGateに対して起こした著作権侵害訴訟において、和解が成立したと発表されました。
ACSとElsevier社は同社のジャーナルに掲載された論文がResearchGate上に違法で公開されているとして、ResearchGateに対して著作権侵害訴訟を起こしていました。
ACSとElsevier社が加盟する出版社団体Coalition for Responsible Sharing及びResearchGateの発表によると、著作権法に則った方法でResearchGate上で論文を共有できるように技術的措置を講じることで、両者の同意に至ったと述べられています。
措置の具体的な内容としては、今後、ResearchGate上にACS及びElsevier社から出版された著作物がアップロードされた際には、その権利情報を自動的にチェックし、自由に共有可能かどうかを判定するとしています。また、著作権で保護された論文であっても、著者は、他のユーザーの求めがあれば、そのユーザーに対して最終出版版を共有できるようにする等と説明されています。
ACS, Elsevier, and ResearchGate resolve litigation, with solution to support researchers(ResearchGate, 2023/9/15)
https://www.researchgate.net/press-newsroom/acs-elsevier-and-researchgate-resolve-litigation-with-solution-to-support-researchers
ACS, Elsevier, and ResearchGate resolve litigation, with solution to support researchers(Coalition for Responsible Sharing, 2023/9/15)
http://www.responsiblesharing.org/2023-09-15-acs-elsevier-and-researchgate-resolve-litigation-with-solution-to-support-researchers/
参考:
ドイツ・ミュンヘン第1地方裁判所、ResearchGateにエルゼビア社と米国化学会(ACS)の論文を公開することを禁ずる判決を下したことを発表 [2022年02月18日]
https://current.ndl.go.jp/car/45665
ResearchGate、約20万件の論文ファイルをサイトから削除 [2021年10月1日]
https://current.ndl.go.jp/car/44910
米国化学会(ACS)とElsevier社がResearchGateを提訴 [2018年10月9日]
https://current.ndl.go.jp/car/36785
CA1848 – ResearchGate-リポジトリ機能を備えた研究者向けSNS- / 坂東慶太
カレントアウェアネス No.324 2015年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1848