2023年8月11日、国際図書館連盟(IFLA)の運営理事会が、2024年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の開催地をアラブ首長国連邦のドバイとする決定を再確認したと発表しました。
IFLAは6月19日に2024年のWLICをアラブ首長国連邦のドバイで開催すると発表しましたが、多くの賛否両論が寄せられたことを受けて、会員の助言を求めるため、拘束力のない諮問型の会員投票(advisory referendum)を実施していました。
発表によると、会員の37%が投票し、うちドバイでの開催に反対が68%、賛成が27%となり、ヨーロッパ、北米、ラテンアメリカ、カリブ海地域の投票者の過半数が反対票を投じた一方、アジア・オセアニア、中東、北アフリカ、サハラ以南のアフリカの投票者の多くは賛成票を投じたとしています。また、IFLAのボランティアに対してもコメント提供の場を設けたところ、52%が投票に参加し、49%が反対、43%が賛成という結果となったとあります。決定に当たっては、会員の投票やボランティアのコメントの結果だけでなく、地域別の内訳や相対的な投票力、図書館の世界的な代弁者としてのIFLAの使命等を考慮したとしています。
アラブ首長国連邦におけるLGBTQ+の権利に関する法的枠組みや、全てのIFLA組織がセッションを開催する能力に関して懸念があること、特にLGBTQ+をテーマとしたトピックがWLICのプログラムから除外されることから、LGBTQ+コミュニティが疎外感を覚える可能性があることを認めた上で、ドバイでの開催は、経済的な理由やビザの関係でこれまでWLICに参加することができなかった多くの人々に参加の機会を提供することになると述べられています。
IFLA Governing Board decides on WLIC 2024(IFLA, 2023/8/11)
https://www.ifla.org/news/gb-decides-on-wlic-2024/
Results of the WLIC 2024 Advisory Referendum and Volunteer Survey(IFLA)
https://cdn.ifla.org/wp-content/uploads/advisory-referendum-dubai-results-1.pdf
※投票結果の詳細[PDF:7ページ]です。
関連:
北米研究図書館協会(ARL)、2024年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の開催地決定に関して声明を発表 [2023年08月08日]
https://current.ndl.go.jp/car/190091
欧州研究図書館協会(LIBER)、2024年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の開催地決定に対して反対を表明 [2023年07月31日]
https://current.ndl.go.jp/car/185979
国際図書館連盟(IFLA)、WLIC 2024の開催地決定に関する諮問型の投票を実施 [2023年07月19日]
https://current.ndl.go.jp/car/185239