米国議会図書館(LC)は、2011年5月13日付けで、書誌フレームワーク(Bibliographic Framework)の変革に関する声明“Transforming our Bibliographic Framework”を公表しています。書誌フレームワークを見直すための取組み“Bibliographic Framework Transition Initiative”に関するもので、主な焦点は、MARC21の扱いのようです。予算減とサービス要求増大という状況において、目録メタデータの作成と共有における効率性は必須であるとし、現在と今後のLCの資源の振り分け方について検討するとしています。検討課題として、次のような点があげられています。
・既存のメタデータエンコーディングの諸標準について、どの側面を保持し将来のフォーマットに発展させるかを決定する。
・セマンティックウェブやLinked Dataの技術を試し、それらが書誌フレームワークにどのような利点をもたらすか、そしてそれらの利点を有効に活用するために現行のモデルはどのように調整されなければならないかを見る。
・より広いウェブ検索環境で図書館のメタデータが再利用されるよう促進し、エンドユーザーが質の高いメタデータの利用や新しい使い方をできるようにする。
・人、場所、組織、概念などの実体(entities)間の関係をユーザーが行き来し、図書館目録やインターネットでより正確な検索ができるようにする。
・現在のMARCベースのシステムを超えた、メタデータの表示方法を探る。
・関係するコミュニティに受け入れられる変化のペースの調査も含め、変化する場合と変化しない場合のリスクを明らかにする。
・既存のメタデータを新たな書誌システムに移行するための計画を立てる。
今後、様々な関係者から意見を聞きながら検討を進めていくとのことで、まずは、2011年6月の米国図書館協会(ALA)の年次大会の終了後に、年次大会での議論を踏まえ、LCからさらなる声明が出される予定とのことです。
Transforming our Bibliographic Framework: A Statement from the Library of Congress (LC 2011/5/13付けの情報)
http://www.loc.gov/marc/transition/news/framework-051311.html
Bibliographic Framework Transition Initiative
http://www.loc.gov/marc/transition/
Library of Congress May Begin Transitioning Away from MARC(Library Journal 2011/5/26付けの記事)
http://www.libraryjournal.com/lj/home/890784-264/library_of_congress_may_begin.html.csp