岐路に立つオープンアクセス:図書館出版と書誌多様性(文献紹介)

2023年5月9日付けで、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌36号に、図書館出版と書誌多様性についての記事”Open access at a crossroads: library publishing and bibliodiversity”が掲載されました。

20年前にBudapest Open Access Initiative(BOAI)が発足して以来、オープンアクセス(OA)論文の数は増加しているが、所属がない研究者や、「科学の周辺」にいる研究者は、ゴールドOAモデルから排除されてしまうため、平等性と多様性の点から問題があるとの懸念が提起されています。

書誌多様性の重要性と、図書館出版が持続可能で公平な知識生産に貢献できる方法を取り上げ、ゴールドOAモデルが知識生産のエコシステムを破壊していることを述べています。

Ma, L., Buggle, J. and O’Neill, M. Open access at a crossroads: library publishing and bibliodiversity.
Insights. 2023, 36 (1): 10.
https://doi.org/10.1629/uksg.613

参考:
オープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)、学術情報流通における書誌多様性に関するペーパーの日本語訳を公開[2020年6月2日]
https://current.ndl.go.jp/car/41116

Science Europeら、持続可能なコミュニティ主導のダイヤモンドオープンアクセス(OA)のためのアクションプランを公開[2022年03月03日]
https://current.ndl.go.jp/car/45720

E2382 – 第2回SPARC Japanセミナー2020<報告>
カレントアウェアネス-E No.412 2021.05.13
https://current.ndl.go.jp/e2382

E2526 – BOAIが20周年を記念して新たな推奨事項をリリース
カレントアウェアネス-E No.441 2022.08.18
https://current.ndl.go.jp/e2526

CA2013 – 論文公開手段としてのオープンアクセスジャーナルの有効性 / 浅井澄子
カレントアウェアネス No.351 2022年03月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2013