2023年5月1日、米国図書館協会(ALA)パブリックプログラムオフィスが、小規模館や地方の図書館を支援するプロジェクト“Libraries Transforming Communities: Focus on Small and Rural Libraries”に関する報告書を公開したことを発表しました。
同プロジェクトはALAが地方及び小図書館協会(ARSL)等と協力して実施しているもので、2020年から2022年にかけて567の小規模館や地方の図書館に約200万ドルの資金が提供され、各コミュニティの課題への取組が支援されました。その助成先には米国48州の公共図書館、学校図書館、部族図書館等が含まれており、これらの図書館は助成を通して提供されたリソースや研修を利用して、メディアリテラシー、COVID-19の安全、失業、食糧不安など、地域社会のさまざまな問題に取り組んだとあります。
小規模館や地方の図書館は、わずかな予算と限られた専門能力開発の機会で運営されている場合であっても、地域社会を強化し変革する方法を発見してきたとし、効果的な地域社会への関与のモデルとなっているとしています。
報告書では、助成を受けた図書館の取組が紹介されています。小規模館や地方の図書館の活動の多くは、以下の7つの重要なステップを中心に展開されているとし、報告書ではこれらのステップを個別に説明し、それぞれの事例が紹介されています。
ステップ1:地域社会のニーズの特定
ステップ2:意識向上
ステップ3:包摂性の促進
ステップ4:対話の仲介
ステップ5:地域社会のパートナーシップの構築
ステップ6:アクセシビリティの確保
ステップ7:外部支援の模索
7 Steps to Effective Community Engagement(Programming Librarian, 2023/5/1)
https://programminglibrarian.org/articles/7-steps-effective-community-engagement
7 Steps to Effective Community Engagement : Evidence from Small and Rural Libraries [PDF:30ページ]
https://www.ala.org/tools/sites/ala.org.tools/files/content/FINAL%20230419-ppo-7-steps-to-effective-community-management_0.pdf
Libraries Transforming Communities(ALA)
https://www.ala.org/tools/librariestransform/libraries-transforming-communities
参考:
米国図書館協会(ALA)、小規模館や地方の図書館を対象とした助成プロジェクトの第3回助成対象館100館を発表:図書館員のファシリテーションスキル強化と地域コミュニティとの対話を促進 [2021年11月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/45133
米国図書館協会(ALA)、小規模館や地方の図書館の図書館員のコミュニティに関わるスキルを高めることを目的としたオンライン講座を開講 [2019年11月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/39550
IMLS、米国の“小図書館”と“地方図書館”の概況を分析したレポートを公表 [2013年09月26日]
https://current.ndl.go.jp/car/24460