2023年4月26日付で、英・Guardian紙に、記事“More than 500,000 people in UK visited ‘warm rooms’ during the winter”が掲載されました。
英国において生活費の高騰が問題となっていた冬の期間に、50万人以上が暖をとるために地域の「暖かい場所」(“warm room”)を利用したとしています。
2022年の秋以降、光熱費高騰が引き起こす貧困に対応するため、英国全土において慈善団体や図書館等が、人々が暖をとり、無料の食べ物や飲み物を提供するための場所を開設してきたとあります。
記事は、英国全土で4,200以上の暖かい場所を展開するキャンペーン“Warm Welcome”による調査を取り上げています。調査によると、「暖かい場所」を訪れた人は孤独感が軽減する傾向にあったこと、また「暖かい場所」を訪れる人には「人と会うため」といった、暖をとる以外の理由もあったとしています。そして、「暖かい場所」の役割として、光熱費高騰などによる生活の困窮へのサポート以外に、困難な時期における孤独という社会的な問題への挑戦という、あまり予期されていなかった点が明らかになったとしています。
なお、同調査によると、「暖かい場所」の約3分の2は、2023年中は継続される予定であるとしています。
“More than 500,000 people in UK visited ‘warm rooms’ during the winter”(The Guardian, 2023/4/26)
https://www.theguardian.com/society/2023/apr/26/warm-rooms-winter-loneliness
関連:
Warm Welcome Spaces
https://www.warmwelcome.uk/
参考:
守られるべき地域の図書館:英・Guardian紙の見解(記事紹介) [2022年12月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/169251
英国図書館(BL)を無料で楽しむ方法:生活費の高騰を受けて居場所を提供(記事紹介)
[2022年10月13日]
https://current.ndl.go.jp/car/46987
生活費危機に直面している英国における社会的弱者のための図書館の取組:延滞料を廃止し、“Warm Bank”として暖かい場所を提供(記事紹介) [2022年10月05日]
https://current.ndl.go.jp/car/46944