2023年3月23日付のOCLC Researchのブログ“Hanging Together”に、ローカルユーザーに合わせたアイテムの記述を支援する取組に関する記事“Inclusive subject headings: Reducing harm in library discovery”が掲載されました。
記事では、ディスカバリーツール“WorldCat Discovery”の多様性・公平性・包摂性(DEI)への取組の一環として2022年に導入された「ローカルで優先する件名表示」(“locally preferred subjects feature”)について紹介されています。図書館が件名標目をローカル上でマッピングし直してローカルとして優先する件名を表示できるようにするもので、当該図書館の利用者にとってより包摂的な体験を提供するものとあります。
この取組は、図書館やアーカイブズにおける記述の実践等の改善を目指す“Reimagine Descriptive Workflows”プロジェクトの成果から着想を得ているとしています。記述により生じる害は喫緊の課題であるものの、件名典拠を変更するには時間がかかることから、ローカルで優先する件名を表示することによって迅速に害を減らすために開発されたとあります。
各図書館がローカル上で定義した件名表記が典拠データや目録レコードを変更することはなく、また他機関のWorldCat Discoveryサイトに影響することはないとあります。一例として、“homeless persons”に対してローカルで優先する件名表示として“People experiencing homelessness”が紹介されています。
Inclusive subject headings: Reducing harm in library discovery(Hanging Together, 2023/3/23)
https://hangingtogether.org/inclusive-subject-headings-reducing-harm-in-library-discovery/?utm_source=feedly&utm_medium=rss&utm_campaign=inclusive-subject-headings-reducing-harm-in-library-discovery
Create locally preferred subjects for display and search expansion(OCLC)
https://help.oclc.org/Discovery_and_Reference/WorldCat_Discovery/Display_local_data/Create_locally_preferred_subjects_for_display_and_search_expansion
参考:
OCLC Research、公正・多様性・包摂性の観点から図書館やアーカイブズにおける記述のワークフローを見直すプロジェクトのアジェンダを公開 [2022年04月07日]
https://current.ndl.go.jp/car/45946