文化遺産のオンライン共有におけるリスク管理のワークフロー(文献紹介)

2023年2月1日付で、米・カンザス大学図書館が、文化遺産のオンライン共有におけるリスク管理のワークフローに関して、オープンアクセス(OA)の電子書籍“Finding Balance: Collaborative Workflows for Risk Management in Sharing Cultural Heritage Collections Online”を公開しています。

希少な歴史的文書をデジタル化してオンラインで共有する際、知的財産の管理を利用者の需要に見合った規模で行うことが難しい場合があるとして、拡張性のある部門横断的なワークフローを構築するためのガイダンスを提供しています。効率を高め、権利評価作業に対する責任を管理者間で公平に分配するための、リスク管理のアプローチが用いていると説明されています。

知識のギャップを克服するためのアドバイス、適切なスキルセットを持つチームの構築、ワークフローの再構築、整理・目録時の権利分析能力の構築を目的とした既存のアーカイブワークフローの再検討に関するアドバイス等がまとめられてると説明されています。また、書籍の各章で演習が用意されているとあります。

Carrie Hintz; Melanie T. Kowalski; Sarah Quigley; and Jody Bailey. Finding Balance. University of Kansas Libraries. 2023.
https://doi.org/10.18737/NOHP2128

参考:
欧州研究図書館協会(LIBER)、改正EU著作権指令で規定された絶版著作物の大量デジタル化に関する例外の適用可否確認のためのチェックリストを公開 [2019年12月05日]
https://current.ndl.go.jp/car/39676

E2580 – 著作権と図書館の関係を学ぶ入門書<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.452 2023.02.16
https://current.ndl.go.jp/e2580

CA1973 – 動向レビュー:Rights Statementsと日本における権利表記の動向 / 数藤雅彦
カレントアウェアネス No.343 2020年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1973