英国図書館(BL)と英国情報システム合同委員会(JISC)の委託調査として、2009年4月、Generation Y(1982年から1994年に生まれた世代)の博士課程の学生の情報探索行動、研究行動を調査する3年計画の研究プロジェクト“Researchers of Tomorrow”が始動しました。このほど、その最初の調査(フルタイムの博士課程の学生のサンプルに対して実施した調査など)の結果が中間報告として、発表されました。それによると、下記のようなことが分かったということです。
・Generation Yの4分の3(ほかの年齢グループより多い)は探している情報を電子ジャーナルの記事中で見つける。
・Wiki、バーチャル研究環境、ソーシャルネットワーキングなどの新しいテクノロジーを自分の研究において使用している回答者の割合は、すべての年齢グループにおいて小さかった(10~30%)。
・ほかの年齢グループに比べてGeneration Yでは、図書館スタッフから研究資料を見つけるための支援を受けたり、サブジェクトライブラリアンからアドバイスを受けたりする人が少ない。彼らは他の世代に比べて、新しいテクノロジーを使って、同僚の学生や上司に支援をお願いすることが多い。
・他の年齢グループに比べ、Generation Yの研究者は、自宅よりも研究所やスタジオのような共有のオフィススペースで研究する人が多い。
なお、この研究は、2008年に結果が報告されたGoogle世代の情報行動に関する調査研究(BLとJISCの委託によりCIBERが実施)をベースとしています。
Mapping the needs of a generation(BLのプレスリリース)
http://www.bl.uk/news/2009/pressrelease20091105.html
Researchers of Tomorrow
http://explorationforchange.net/index.php/current-projects/researchers-of-tomorrow/researchers-of-tomorrow-home.html
参考:
E745(No.122)研究図書館の未来を考えるために−「Google世代」は真実か?
http://current.ndl.go.jp/e745