CA756 – LCがコピー・カタロギング / 横山幸雄

カレントアウェアネス
No.144 1991.08.20


CA756

LCがコピー・カタロギング

米国議会図書館(LC)が,滞貨資料処理のため,コピー・カタロギングを行うことになった。といっても,カレントの資料全てに対して行うのではなく,3年以上整理待ちとなっている英語,フランス語,又はスペイン語の単行図書,あるいは録音資料が対象である。その方法は以下のとおり。

(1) 書誌データベースの検索とレコードの同定

個々の目録対象資料について,OCLC,RLIN,又はNUCのファイルを検索する。

一致レコードを検索できたら,当該データの画面コピーを打ち出し,資料に挟んでおく。

同時に,当該レコードの著者標目,シリーズタイトル等について,LCですでに確立した形があるか否かの指示を行っておく。

(2) コピー・カタロギング

画面コピーをもとに,記述目録作業,標目指示等を行う。

記述部分については,明らかな誤り以外の訂正は行わない。すなわち,最初に当該レコードを作成した図書館のデータが尊重される。

一方,標目指示(著者,シリーズ,固有名件名)に関して,全レコードについて,現行のLCの作業方針に合致しているか否かの確認を行い,必要に応じて,データの訂正・追加,および,典拠レコードの作成・追加を行う。これらの典拠レコードは,フルレベルのレコードとして毎週LCから頒布される。

逆に,普通件名については,再度件名作業が行われることはなく,標目の形について訂正の可能性があるのみである。従って,現行のLCの方針とは異なる件名付与がされていても,当該レコードはそのまま頒布されることになる。

LC請求記号についても,レコードに付与されていれば,当該番号をそのまま使用する。事前調査によれば,LC自身が作業した場合と一致,またはほぼ一致した番号が付与されているレコードは,約95%にのぼるとのことである。

コピー・カタロギングによって作成したレコードのフィールド042には,「lccopycat」という文字列を記録する。また,040$aには当該レコードを最初に作成した図書館のNUC記号を$bと$cには「DLC」を記録する。これによって,当該レコードがLCのコピー・カタロギングによるものであることが識別できる。

(3) 一致レコードが検索できなかった場合

書名が同じでも,版が異なれば一致レコードとは見做されない。また,フルレベルに達しないレコードも,一致レコードではない。検索の結果これらのレコードにヒットしたり,または検索が失敗に終わったときは,オリジナル・カタロギングを行うことになる。

(4) 人員,処理件数等

コピー・カタロギング作業の要員はNUC担当からの振り替えで賄われる(CA710参照)が,これによって年間30,000件の単行図書,および12,000件の録音資料が処理可能であるとされている。

横山幸雄(よこやまゆきお)

Ref: Copy cataloging at the Library of Congress. Cat. Serv. Bull. (51) 8-9, 1991