E466 – 日本人研究者のオープンアクセスに対する意識 <文献紹介>

カレントアウェアネス-E

No.79 2006.03.22

 

 E466

日本人研究者のオープンアクセスに対する意識 <文献紹介>

 

 国立大学図書館協会国際学術コミュニケーション委員会, 国立情報学研究所. 研究活動及びオープンアクセスに関する調査報告書. 2006. 86p. (オンライン), 入手先< http://www.nii.ac.jp/sparc/doc/oa_report_ja.pdf >, (参照2006-03-20).

 国立大学図書館協会および国立情報学研究所(NII)は3月,日本の大学研究者の研究情報の収集方法やオープンアクセス(OA;E445参照)に対する意識について調査したレポートを発表した。アンケートは国立大学等の研究者2,000人を対象に行われ,613人から有効回答を得た。結果の一端をみると,OAについての認知度は29%と欧米に比べて低く,今後の理解促進が求められることがわかった。機関リポジトリなどへ自分自身で研究成果を登録するセルフ・アーカイビングについても,「行ったことがある」のは5人に1人で,「存在を知らなかった」が約60%にのぼった。これらの結果から,レポートは「すでに他の先進国の研究者の間ではよく知られるようになっているOAをはじめとする最近の学術情報流通の展開に関して,わが国の研究者がほとんど知識をもたず,また対応に関する準備ができていないことが推測される」と述べている。

 なお,本調査とは別に,国立大学図書館協会は国内の学協会に対して機関リポジトリへの論文掲載許諾状況調査を1月から行っている。また,NIIは学術機関リポジトリ構築ソフトウェア実装実験プロジェクト(E323参照)に続き次世代学術コンテンツ基盤共同構築事業を開始しており,日本における機関リポジトリ構築促進が本格化してきている。

Ref:
http://www.nii.ac.jp/sparc/shiryou/index.html
http://www.openaccessjapan.com/archives/2006/03/post_46.html
http://www.nii.ac.jp/irp/index.html
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/ir/
E445
E323